中学受験に関する雑誌や本では偏差値の話が数多く出てきます。実際、ブログを書いていても偏差値の話というのはアクセスが多いものです。今回は1980年(昭和55年)の中学の偏差値はどうだったか?という話です。
<2021/06/24>今日スペースでこの記事について話をしたので若干更新しました。
やっぱり偏差値は気になる
みんな偏差値に興味アリ
なんだかかんだでもやっぱり偏差値は気になるもので、一喜一憂しがちなものです。数字で出るのでわかりやすいということもあります。偏差値が上がったら上がったでもっと上へ、となってしまう傾向があります。ブログでも偏差値を扱う記事というのはアクセスを集める傾向があります。
偏差値は時代とともにかわる
中学受験の偏差値は時代とともに変わるということがよくいわれます。
「偏差値は水物だ」
「親世代の偏差値や価値観で子供の学校を選んではいけない」
「あの学校、昔は偏差値が低かった、髙かった」
偏差値をとりまく話題はつきません。いつの時代も。
1980年(昭和55年)の中学受験偏差値
昭和55年週刊サンケイ4月
時代を感じる表紙ですね、ただこの時代ってこういうのだったような。
東京男子校・女子校・共学校
注:下にある偏差値A~Fは集計元が違う。A:城南学園、B:城北スクール、C:東進スクール、D:西ムサシ学院:E:日本進学研究会。
これらの塾調べてみたのですが今はなかったり小規模だったりして、栄枯盛衰ということかもしれないです。
ここではC:東進スクールの偏差値を1980偏差値とします。 実質競争率のところの55年、54年は、昭和55年と昭和54年です。
1980年 偏差値順(東進)
73: 筑駒(男)
72: 開成(男) 武蔵(男)
71: 慶応普通部(男) 慶応中等(共学) 筑附(共学)
70: 麻布(男) 桐朋(男/2科)
69:
68: 駒場東邦(男) 栄光(男) 学芸竹早(共学) 学芸大泉(共学) 学芸小金井(共学) 学芸世田谷(共学)
67:
66: 雙葉(女) 青山学院(女/2科) お茶の水女子(共学)
65: 早稲田(男) 早稲田実業(男/2科) 日本女子大附(女) フェリス(女) 女子学院(女) 立教女(女/2科)
64: 聖光(男) 成蹊(共学/2科)
63: 桜蔭(女) 学習院女子(2科) 横浜雙葉(女)
62: 学習院(男/2科) 青山学院(男/2科)
61: 跡見学園(女/2科)
60: 海城(男/2科) 芝(男)
59: 創価(男) 明大明治(男/2科) 立教(男/2科) 浅野(男) 白百合(女) 成城学園(共学/2科)
58: 暁星(男/2科) 桐蔭(男) 三輪田(女/2科) 桐朋女子(口答試験+作文)
57: 大妻(女/2科) 清泉女学院(女) 東京女学館(女/2科) 東邦大東邦(共学/3科)
56: 獨協(男/2科) 恵泉女学園(女) 晃華(2科) 山脇(2科)
55: 城北(男) 巣鴨(男) 共立女子(女/2科) 横浜共立(女) 桜美林(共学/2科)
54: 武蔵工大附属(男/2科) 明大中野(男/2科) 実践女子(女) 女子聖学院(女/2科)
53: 光塩女子(女/2科) 普連土(女/2科) 女子美大附(女/2科) 国立音大附(共学/2科)
52: 日大第一(男/2科) 日大第二(男/2科) 川村(女) 昭和女子(女/2科)
51: 佼成学園(女/2科) 成城(男/2科) 日大豊山(男/2科) 法政第一(男/2科) 香蘭(女/2科) 和洋女子九段(女/2科) 市川(男)
50: 攻玉社(男) 日大第三(男/2科) 明法(男/2科) カリタス(女) 和洋女子(女/2科) 星美学園(女/2科)
49: 頌栄女子(女/2科) 、武蔵野女子学院(女/2科)
48: 聖学院(男/2科)、明治学院(男/2科)、トキワ松学園(女/2科)、文教大付(女/2科)、和光(共学/2科)、日本大学(共学/2科)、森村学園(共学/2科)
47: 吉祥女子(女/2科)、東京文化(女/2科)、神奈川(共学/2科)
46: 郁文館(男/2科)、世田谷(男/2科)、十文字(女/2科)、聖ドミニコ(女/2科)、豊島岡(女/2科)
45: 佼成学園女子(女/2科)、文京学園女子(女/2科)、目黒星美学園(女/2科)、川崎サレジオ(共/2科)、関東学院(共/2科)
レビューとか考察とか解説
なんだかんだ言っても御三家は安定している
1980偏差値 開成72、武蔵72、麻布70、雙葉66、女子学院65、桜蔭63(東進偏差値)
桜蔭が低いような気もしますが、東進以外の偏差値では1980年偏差値68~69ぐらいなので女子学院、雙葉以上の偏差値です。女子校では当時からトップ級だったといえます。
41年前のデータですが、確かに武蔵が落ちてきているというのはあるかもしれませんが、思ったより男女御三家は安定して名門校だったといえると思います。
また国立の筑駒、筑附、学芸大なども安定しています。
そうそう、開成が40年連続東大合格者日本一とかいわれているので、その40年が始まったぐらいの偏差値と考えるとよさそうです。
2科目受験が多い
当時は受験回数は1回が主流でしたが、2科目受験が多いのが目につきます。
東京では男女とも御三家と一部の上位校以外は国算の2科目受験でした。これ以降4科目受験が広がるのですが、大学受験を意識してのことでしょう。
実質競争率が今より低い
男子校、女子校、共学校ともに1倍~2倍台の学校が多く、今よりも実質競争率がひくかったことがうかがえます。中学受験も今ほどはメジャーではなかったかと思います。
偏差値が上がった学校
集計元が違うので本来偏差値とは直接は比べられないですが、あえて1980年東進偏差値と、2021年四谷大塚の偏差値を比較して上がった学校は以下のようになります。大幅に上がった学校は全て女子校ですね。
豊島岡 1980年東進:46→2020年四谷:70に上昇
吉祥女子 1980年東進:47→2020年四谷:61に上昇
鷗友女子 1980年東進:49→2020年四谷:61に上昇
頌栄女子 1980年東進:49→2020年四谷:61に上昇
偏差値が下がった学校
全体的に伝統女子校の苦戦が見受けられます。1980年に60前後あった学校が今偏差値40台という学校もかなりあります。1980年と今とでは学校に求めるものが違うのかもしれませんね。学校の雰囲気も大幅に変わったと思います。女子校が多いですが、最後の桐朋だけは男子校ですね。
跡見学園 1980年東進:61→2020年四谷:40に下落
三輪田学園1980年東進:58→2020年四谷:40に下落
山脇学園 1980年東進:56→2020年四谷:45に下落
桐朋女子 1980年東進:57→2020年四谷:37に下落
和洋九段 1980年東進:51→2020年四谷:35に下落
桐朋 1980年東進:70→2020年四谷:57に下落
女子校の偏差値下落は女子について教育に求めるものがこの40年で大きく変わってきたことがあげらます。1980年というと雇用機会均等法導入以前ですし、嫁入り道具の一つ、良妻賢母的な昭和的な伝統校か、時代に合わせて教育内容を変えてきた学校かで偏差値が上下したといえるかもしれません。
学校名変更し共学化
学校名が変更になり共学化している学校も多数あります。今は別の学校になってますね。
順心女子学園→広尾学園
戸板女子学園→三田国際
東横学園→都市大学等々力
武蔵野女子学院→武蔵野大学中学
など
さいごに
偏差値は母集団によっても変わってくるので、本来違う模試の偏差値を比べるのは意味がありません。今回は感覚をつかむためにあえてやってみました。
40年前と比較すると、難易度に変化があっり、学校名や別学/共学が変更になった学校がありました。
①学校名が変更(順心女子→広尾学園、戸板女子→三田国際)
②別学→共学(男子校→共学[法政、明大明治等]、女子校→共学[嘉悦女子])の変更
③難易度、偏差値が変化(豊島岡等、三輪田、吉祥女子等)
学校にはイメージがつきものですが、昔のイメージだけにとらわれずに今や今後の学校に注目して学校選びをすると良いと思います。
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