2020年の大学入試制度変更にともない求められる能力がかわります。
①大学入学共通テスト
2020年の大学入試制度変更に伴い、センター試験に代わり大学入学共通テスト、が始まります。
国語と数学で記述式の問題が出され、英語で「話す」内容も加わる予定です。
新しいテストは、従来の「知識力・技能力」だけでなく、「思考力・判断力・表現力」を重視したテストとです。
このような変革の中、これからの時代は求める学生であったりその能力も変わってきています。
このことは中学受験の受験問題や学校説明会でも言及されており価値観の変革はもう始まっていると言えます。
②今まで優秀だった学生とこれから優秀な学生
そういえば学校の成績は優秀だったけど、社会に出てからはうまくいかない人がいます。
また逆に学生のときは、ひどかったけど、今は組織のトップで人望もある、という人もいます。
学校と社会では評価基準や求められる能力が全くちがったわけです。
私の時代は、学校は知識や正確性をベースにしたテストでの点数が重要視されていましたが、
社会だと人をまとめる力とか折衝力、ピンチやチャンスのときの行動力などが大事だったりします。
2020年の大学入試制度の変更により、学校での評価基準がかわってきて、
知識よりも思考力と社会の評価基準に少しだけ近づいてきている気がします。
☆今までの学生に必要だった能力
(1)従来型テストで成績を出すための幅広く膨大知識
(2)短時間に正確に答えを出す処理能力
(3)文章を論理的に理解する能力。
☆これからの学生に必要な能力
(1)情報を組み合わせ、推測する思考力
(2)状況に応じた答えが出せる力
(3)自分の意見を主張できる表現力。
インターネットの普及で、知識は検索すれば表示される時代です。
その知識(=検索結果)をいろいろな問題(=設問)に対してどうように使うのか?
ということが求められています。
短時間での計算、事務処理能力もコンピュータが肩代わりできるようになってきています。これも計算なり事務処理の結果をどう結果に結びつけるかが求められています。そのための論理的思考力、判断力、表現力が必要になってきます。
また人とのコミュニケーション力、総合的な問題解決力が大事なものとなります。
別の考え方をすると、今までは先生が教壇に立って、クラス全体に対して授業をするというスタイルで、これはこれで一様な授業を皆が受けられるなどメリットもあったのですが、自分で考えを表現するような、コミュニケーション力であったり、問題解決力をつけるには不十分だした。
これにともない、求められる人間像も変わってきます。
☆今までの学生に必要だった性格とタイプ
(1)コツコツ、人知れず努力するタイプ
(2)人と口論しない。まじめ。几帳面。
(3)不得意分野がなく、全体的に力がある。
☆これから学生に必要な能力とタイプ
(1)みんなで協力してゴールを目指せるタイプ
(2)人と衝突しても話し合いで解決できる。
協調したり、ぶつかったりしながら前に進める。
(3)精神的に強い。一芸に秀でている。
具体的な学生生活で考えてみましょう。
放課後の教室を掃除する場合を考えます。
☆今までの優等生
・自分に割当たっている掃除エリアを時間通りに確実に行える。
・与えられたエリアを隅々まで決められたプロセス丁寧に掃除できるタイプ
・先生に言われたことをきちんとやる。
☆これからの優等生
・効率的な掃除方法をみんなで手分けして行える。
・場所ごとにどの程度まで掃除するかを決め、天気によっても臨機応援に掃除内容を変更することができる。またその決めた理由に合理性がある。
・掃除の内容を決めた理由とどの程度できたかを説明でき、掃除をどこまでやるかについて先生と調整できる。
杓子定規ではなく、その場に応じた対応や、周りの人を巻き込んで作業できる
という能力は会社でもとても大事な能力です。
いつでも思うんですが、サザエさんのカツオはこれからの学生として強いと思います。従来型の知識と技能という点では多少の疑問符?がつきますが、誰にでも好かれるコミュニケーション力、状況に応じた交渉術、メンタル的にタフそうなのも良いところです。