先日、朝日新聞RONZAに『豊島岡女子の高校募集廃止と教育格差』という上下の2つの記事がでました。有料登録していない場合は読めるのが一部だけですが、なかなか面白い記事でした。
この記事要約するとこういう感じ
==要約ここから
豊島岡の高校募集をやめる理由
・都立校の躍進により豊島岡の優先順位が下がった。
・埼玉から通う生徒も多かったが、埼玉の私立・公立の躍進もあった。
また、豊島岡は中入組と高入組があまり交わらない学校と言われる
→高入生はギャルっぽい、中入生は非モテで人種も違う
高校受験への影響→日比谷、都立トップ校の併願校私立がなくなる。
中学受験への影響→高校受験の選択肢が狭まるので中学受験を考える人が増える。
完全中高一貫化で御三家のすべり止めからの脱却を狙う。
卒業生は高校募集の停止を残念がっている。
==要約ここまで
高校募集の停止の記事はこのブログでもいろいろ書いているので重なる部分もある。確かに都立高だけでなく、埼玉校の躍進は豊島岡には影響があるというのは納得。中入組と高入組の雰囲気の差というのは女子校というのもあるのか。
一つ深掘りしときたいのが、
高校受験への影響→日比谷の併願校がなくなる。
という点。
(1)女子の場合、日比谷を第一志望にすると次の志望校がない問題
大学附属なら、早慶MARCH附属があるが、進学校というと国立、国学院久我山ぐらいと選択肢が極端に狭まっているのがわかる。都立に落ちると厳しい状態になってしまう また、附属にすると大学がほぼ決まってしまうし、早慶附属の難易度はかなり高い。MARCHだともったいないという気も。
(2)都立上位の内申点
日比谷、都立トップを志望する場合はオール5が当たり前で、実技系科目が苦手な場合は内申点でのビハインドが大きくなってしまう。学力はあって内申点が伸びない生徒の選択肢がなくなってしまうのだ。
当然都立は推薦も考えたいが、日比谷の推薦ならオール5+生徒会長などの勉強以外の活動、リーダー性が必要。ということもあり、勉強は得意だけど・・・という生徒にはハードルが高く、全く太刀打ちできない感じ。
このようなことから
日比谷、都立トップ高を落ちた場合の落差が大きくなるので、都立チャレンジ受験しようとする層は、1ランク下げるなど安全圏に動かざるを得ないかもしれない。
(3)中学受験への影響
中学受験大勢には影響なさそうだが、渋幕も高校募集を停止する動きがあったりと以前から指摘されていた女子の高校受験時の選択肢の少なさがより際立つ形になってきた。
内申点に自信がない場合など中学受験を視野にいれる層がでてくる可能性あり。
(4)まとめ
・ある程度の進学実績を出せる高入できる私立女子校はなくなった。
・私立共学校は若干あるがが進学実績は落ちる、あとは国立
・都立は内申が必要。実技系科目が苦手な場合もある。体育が苦手とか。
・付属は数多いが大学が決まってしまう。
・絶対都立は落とせないという流れ強まる。
・中学受験に直接的な影響はなさそうだが、検討する層が若干増える可能性あり。
以下、高校募集停止関連記事
・日経電子版『中高一貫校、高校の募集停止相次ぐ 豊島岡や本郷など』を見て
概要:高校募集に対する各学校、おおたとしまさ氏のコメント
本郷「第1希望の生徒に来てもらいたいというのが一番の理由」
豊島岡「高校から私学を考える人がぐっと減った」
・渋幕が制服リニューアルし高校募集停止か、完全中高一貫校への布石
概要:渋幕の制服リニューアル問題改め高校募集停止危機問題を学校のHP内容からどこよりも詳細に掘り下げ。現在の渋幕の状況と高校募集を停止する必要性があるかの考察
・【最後の砦】開成が高校募集を停止する可能性は?
概要:高入進学校がなくなるなか、難関校で唯一高入を続ける開成校長のコメント。
開成高入に影響がある日比谷との比較。高入を続けられている理由とは?
・豊島岡女子の高校募集を停止する背景。他高とは違う学校上の仕組みも原因か。
概要:豊島岡の高校募集停止についての深掘り。実は、他の高入高とは決定的に違う学校上の仕組みも原因。その仕組みとは。
・豊島岡女子が2022年より高校募集を停止、とその影響【中学受験に影響あり】
概要:高校募集停止に踏み切った基本的な理由、中学受験に対する影響など。
高入生の実績が振るわなかった理由、都立トップ高の併願校化の影響
・本郷、都立一貫が高校募集の停止。完全一貫化が加速。
概要:本郷、都立一貫が高校募集を停止することを発表。完全一貫化が加速。
高校募集にはメリットもあったが、募集停止に踏み切った理由。
1997年以降、高校募集停止を行った学校一覧。こんなにあった。