いよいよ12月で受験も直前期となります。毎年この時期に話題になるのが、
・入試直前の1月は学校を休ませる?か休ませない?か問題
・休ませるならいつから?
ということです。この問題、長くなってしまうので数回に渡って解説したいと思います。
- 結論『学校を休むかどうかは本人・家庭の判断』だが…
- 2021年は休ませた人が若干多かった?
- 学校を直前期に休む派・休まない派の意見
- 学校を休むことを積極的に考えてよい事例
- 直前期に一般的に親が勘違いしがちなこと
- 学校を休む場合は学校の担任に連絡を
- 受験に否定的な先生もいる…
- 1月に学校を休む場合の注意点
- 1月に学校を休まない場合の注意点
- 注意するべきポイント・学校関連
- 注意するべきポイント・子供関連
- 注意するべきポイント・家庭・塾関連
- まとめ
結論『学校を休むかどうかは本人・家庭の判断』だが…
最初に結論を書いていますが、なかなか単純にはいかない話なので以降で説明します。
言いたいのは大前提として「子供本人と家庭の判断を最優先に考えるべき」ということです。
考える要素としては、本人のメンタル、体調。学校でのコロナ感染やインフルエンザの状況。健康面、学力面総合的に判断すべきです。
実際、1月に1日も来ない子供もいるし、受験日以外休まないどころか、受験日でも午後から来ている子供もいたりします。本当に人によるといったところ。
そして休んだから合格する、不合格になるということは関係ありません。
大切なのは、子供の考えを中心に据えて、子供に親の判断を押し付けず、親子で話し合って結論を出すこと。
まず子供に学校に行きたいかを確認しましょう。全てはそこからです。
無理に休ませる、無理に行かせる(あるか?)のは最もやってはいけない悪手です。
受験の結果に対して、誰も責任を取ってくれるわけではありません、後悔しないよう自分たちで決めましょう。これは志望校選択でも同じです。
2021年は休ませた人が若干多かった?
2021年に入ってすぐに緊急事態宣言が出たために休ませる人も多かったようです。
これにより入試終了後、当時の文部科学大臣の萩生田さんが中学受験をする児童が「一斉に学校を休んでいた」ことを「望ましくない」と苦言を呈する場面がありました。
今年の春先に当時の文部科学大臣の萩生田さんが受験前に休むことに「望ましくない」とか言って、いろんな意見がでましたね。
— 中学受験の下書き (@jukenshitagaki) 2021年12月2日
「中学受験で学校を長期欠席」タブーに触れた文科相に親たち困惑 「望ましくない」と言われても…|弁護士ドットコムニュース https://t.co/wWfeFO9wkn
学校を直前期に休む派・休まない派の意見
それぞれの言い分はあります。代表的な意見をまとめました。
休む派
・コロナ感染、インフルエンザ感染回避、風邪の防止。体調管理が必要。
・小学校や担任などが受験に対して批判的で登校することがマイナスになる可能性も。
・学力面の追い込み、勉強時間確保。
休まない派
・そもそも義務教育である学校を休ませるのはおかしい。
・通常生活のほうがメンタル的にもリズムがよくなる。
・学力面でジタバタしても仕方がない、逆効果。
学校を休むことを積極的に考えてよい事例
①クラス学校でインフルエンザが流行、コロナ感染リスク急増→休むの一択
②成績的により頑張りが必要、または過去問演習の進みが悪い→家で親か誰かが生活・勉強面のサポートができることが前提。
③元々子供が小学校に行くのはあまり好きではない→これも家でのサポートができるなら。
家でダラダラするのなら学校に行ったほうがいいかと思います。
直前期に一般的に親が勘違いしがちなこと
休んだから学力が付くとの勘違い
休んだから勉強する、学力が付くというものではありません。時間をどのように使うか次第です。たとえば塾に行ってる、自習室にいるから学力が付くわけではないというのと同じことです。
学校に「行かない」精神的なストレスを軽視
春先のコロナでの自粛生活を考えてみてください。学校に行かずに家で閉じこもっていたことにより、ストレスというか家の中が「どよーん」とした感じにはなりませんでしたか?これも個人差がありますが、学校に行かないことがストレスという子供は多いです。
学校を休む場合は学校の担任に連絡を
また学校を休む場合には学校の担任への連絡をきちんとしましょう。
・コロナ・インフルエンザ感染対策などの体調管理のため。
・受験準備に集中させたいため。
など言い方は考えてください。今年はコロナリスクなどの健康リスクが良いでしょう。
できれば直接会って連絡したほうがいいですが、このような時なので、電話でもいいと思います。
12月までに「かくかくしかじかで、1月の受験直前は、休むことがあるかもしれません」と一報入れておき、実際に休ませるときに「以前にも連絡させていただきましたが、体調管理の面から少し休むことになります」と続けるのがいいかなと思います。
ウチの場合は1月始業式の日に調査書をもらいにいくときに連絡しました。
ウチでは「思う存分やってください」と割と好意的な了解を得ることができました。
最近聞いたのですが、ウチの子の担任はやや否定的な考え方をお持ちでしたが、最終的には「思う存分やってください」と割と好意的な了解を頂きました。
休む場合でも先生の了解をとっているほうがいいですね。
受験に否定的な先生もいる…
1月であろうが直前であろうが小学校に来るのが当たり前、と考えている学校の先生もいらっしゃいます。これらの先生が「悪」と考えるのは違うと思います。そちらが正論です。先生として仕事にモチベーションを持ってやっているのだと思います。まずそれを認識しましょう。もしかしたら休むことで先生には嫌われてしまうかもしれません。
これは学校の先生だけではありません、親族や周囲の人の中には休むことや中学受験自体にも否定的なことを言う人もいるかもしれません。
だからこそ「本人と家庭で判断をする必要がある」わけです。
受験直前期には、自分の周りの人すべての人にいい顔できるとは限らないと私は思っています。
1月に学校を休む場合の注意点
一般的に1週間程度なら問題ありませんが10日以上家と塾だけで過ごすというのは、休ませる理由がどうであれ精神的に少し大変かもしれません。個人差がありますので子供の状態に気を配って臨機応変に対応しましょう。途中で学校に行かせるのもアリです。
生活のリズムを整えるようにしましょう。学校に行かないと生活のリズムが悪くなることがあります。朝起きる、夜更かししない。基本的なことです。
あと子供の学習内容は細かくチェックしましょう。家でゲームばかりしていたなんてことがないように、それなら学校に行かせたほうがマシです。
1月に学校を休まない場合の注意点
休ませない場合は学校での健康面でのリスクに気を使ってください。コロナ・インフルエンザ・風邪などだけではなく、学校でのケガもきをつけましょう。体育や休み時間での遊びの中でケガをしてしまうケースもあります。
あと学校や周囲の欠席者数、コロナ状況、風邪インフルエンザの状況は逐一確認しておきましょう。
注意するべきポイント・学校関連
結局、本人、家庭で判断するしかないのですが考えておいたいいポイントを学校関連と個人関連で整理します。
・地域性、他の受験生が休むかどうか
地域や学校によっては学校を休むことに寛容であったり、若干批判的だったりします。受験自体に批判的な先生だと宿題を多くだしたりとか、
受験にマイナス面が出かねない対応をする先生がいることもあります。→これなら休み一択ですね。周りの状況を確認しつつ、ご家庭の判断で。
・その年その地域でのインフルエンザ状況
1月は中旬~2月上旬にかけてインフルエンザが流行する季節です。学校に行く場合でもインフルエンザのきざしが出てきたら休む等のルールを事前に決めておきましょう。
また学校でのインフルエンザの感染状況を入手する手段を確認してみましょう。
・残念ながら中学受験に優しくない環境も世の中には存在する
1月に面倒な調べもの宿題。卒業文集関係の委員会。イベントや社会見学など。放課後居残り行事。
1月受験合否が話題になったり、受験のことをいじられたり。
→こういうのを回避するために休むというのもありといえばあり。
注意するべきポイント・子供関連
・12月時点での模試成績、偏差値と志望校との距離感
12月時点で成績的に余裕があるなら、無理な勉強ではなく、ペースを崩さないのが基本です。学校に行くときは、インフルエンザの感染状況に細心の注意を。
学力的に追い込まなければいけないときは、その体制をどうやってつくるかです。子供まかせでは逆効果にもなりかねません。
・子供の中での小学校生活の存在感役割
学校が好きで、小学校での生活が受験勉強の下支えになっている子供は案外多いものです。休むことがストレスになる可能性あり。
また、体育で体を動かしたりとかも風邪の予防にもなります。
逆に小学校に行くのがつまらないと思っている子供は休んでもストレスをかかえることはないと思います。
注意するべきポイント・家庭・塾関連
・休んだ場合に子供をサポートできるか、勉強できる場所は確保されているか
共働きの場合は子供をどうするかという問題が生じます。子供1人で日中家で勉強させるのはイマイチです、学校に行った方がいいと思います。
・1月は日中から自習室を開放している塾もあると思いますので塾の1月のサポート状況を確認してもいいでしょう。
学力的な伸び、勉強時間の確保を期待して休ませる場合もそうですが、健康面の管理で休ませる場合もここを一番しっかり考える必要があります。
まとめ
・休む休まないは本人・家庭の判断が最重要
・周囲のインフルエンザ・コロナ感染状況によっては休むの一択。
・休んだからといって学力が付くとはかぎらない。
・休む場合は学校に連絡する
・休む場合は精神的なストレスと学習状況のチェックが大事。
・休まない場合は健康管理の徹底を。学校でのケガにも注意。
・休まない場合も学校内の欠席者数、インフルエンザの状況なども日々確認。
・受験に否定的な先生は悪ではない、それが正論の認識を持つ。
・学校によっては直前期にイベントも。面倒な係は正直、避けたい。
・現時点での志望校との距離感を測ること、どのぐらいで手が届くか。
・学力的な追い込みが必要だから休む?→そのプランはあるか?
・少し余裕があるなら、無理な勉強ではなくペースを崩さないことが大事。
・休む場合、子供をサポート体制が作れるか?1月の塾の状況もチェック。
1月学校を休むか問題は以下の記事に続きます。
「中学受験の直前期1月に学校を休むか問題」休んだウチのリアル体験談 - 中学受験の下書き
【中学受験】入試直前の1月に学校を休んで勉強するかの判断基準【2021年コロナ禍・休む?】 - 中学受験の下書き
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