中学受験の下書き

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受験の通説『男子は受験直前期伸びる』説は本当か?調べてみた

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男子は直前に伸びる説というのがあります。良く聞きますし、もはや常識ともいわれているような気がします。本当かどうか、ウチの子が受験したときのクラス状況と、過去の合不合のデータを調べてみました。 

身の回りの話

 ウチの子が通っていた早稲アカのSSクラスの場合

 結論から言うと、もちろん人による部分はありますが、男子のほうが伸びしろがあり、後半伸びる人が多いようにみえました。

 特に重要科目である算数は男子のほうが6年での伸びているような…

 女子のほうがコツコツ型が多いので一気に成績を伸ばすのは男子よりは不得意かもしれないという感じ。

 また6年後半になると入試問題が演習の中心になります。それまでは、決まりきった典型問題が多かったのですが、入試問題は典型問題でないものが多く、論理的思考力も必要になる問題が増えます。こういう問題は男子が向いているかもしれないです。

 つまり6年の後半に解く問題というのは、男子が比較的得意なタイプの問題が多いというのも後半伸びているように見える原因なのかなとも思います。

 総合的に受験問題に対する適応力は男子のほうがあるように思えます。

 ただ、実際の受験においては、別学はもちろんのこと共学でも男子、女子で別枠で合否を判定するケースが多いので、男子が伸びることがあってもそれで女子が受験で落ちやすくなる、ということはあまりないといえます。そもそも共学校では女子の合格最低点のほうが高いことが多いですし。 

 

合不合判定テストのデータから

 合不合は4月から12月まで全6回行われます。この6回で男子と女子の得点差がどうなっているか4年分(2017~2020)調べました。今年の2020年は実施中なので10月実施の第4回までのデータです。

 

 基本的に男子のほうが女子より平均点が高いのですが、男子が直前期に後伸びするのが本当であるなら回を追うことに男子と女子の平均点の差は広がる傾向になると思われます。調べたデータはこちら。

 

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2017年~2020年の4年分のデータを見ると、特に回を追うごとに男子が女子より伸びているという感じではありませんでした。2018年、2019年のほうが男女の差が縮まっている(=女子が男子を追い込んでいる)ように見えます。

合不合は4月~12月までなので、1月までデータを取るともっと傾向が見えてくるかもしれないですが。

男子後伸び説を統計的に示すには別のデータが必要そうです。

 

男子の後伸び説を支える説得力がある説明 

男子後伸び説として、以下の2つのことがよく言われます。

・男子は集中力、体力がある。

 男子はスポーツなどをやっていて受験勉強が出遅れる傾向もあるが、男子は相対的に集中力、体力がある。それゆえ、短期間であれば女子より体力的に無理が効くことがあるので学力を伸ばすことができる。

・精神的な成長が遅い男子は後半追い込める

 男子は精神的な成熟度が女子に比べて遅く、受験直前期に精神的成熟度で女子に追いついてくるので 学力も男子のほうが後半伸びてくる。

 

 

ということで、無理やりまとめ

 経験的には男子が後伸びしてくる常識としても語られ実際ウチの娘のクラスでも男子の追い込みはありました。ただ合不合という統計的なデータとしては合不合の平均点などはそうなってませんでした。

このようになる理由を推測やらいろいろ考えてみてまとめてみます。

・『実は伸びているの一部にすぎない』説。

全員が後伸びするわけではない、正確にいうと男子は後伸びする人も一部いる、その人が目立つのでイメージとして男子=伸びるという印象を持つが、伸びるのは一部で統計的に現れてくるほどではない説。一方、二月の勝者でいう王羅くんのように、勉強習慣など基本的なところができず成績が伸びない層が多いのも男子なのでは。


・『男子、体力、集中力で有利』説。

伸びる素養があった場合という話ですが、女子より精神的に成長するのが遅めであったり、体力の面で優れていたりして短期間に伸びる傾向がある。伸びが加速するというイメージ。


・『伸びるのではなく、直前は男子が得意な問題を解く機会が増える』説

 受験期に解く問題は決まりきった型だけでなく思考力が必要な、切り口が違う問題も多くなってくる、そのような問題に対する適応力は元々男子のほうがあるのでは?


・『実際に伸びてるの模試終わった後』説。本当の男子の伸びは12月の試験が終わった後の可能性も。

 

まとめるとこんな感じ。身の回りとか、一般的に言われていることとして、男子のほうが伸びるというのはありそうなのですが、今回統計的な裏付けを取ることはできませんでした。ちょっと何か見つけたらまたやってみようと思います。 

後、最後に大事なこと。女子でも伸びる人は伸びますよ。

性別差よりも環境差、個人差のほうがはるかに大きいと思います。 

 

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