今回のテーマは「都内私立中学の共学校、男子校、女子校の数について」という話です。ちょろっとやったテーマですが、深掘りしながら2020年7月最新データで追跡します。
調査の前提
① 中学校検索 | 首都圏 | 中学受験情報の「スタディ」 から学校数をカウントしています。
② 偏差値は四谷大塚80偏差値で、試験日・男女別偏差値のうちもっとも高い偏差値を使用しています。
首都圏の学校数をカウントしてみる
・東京
都内私立中学は181校、去年カウントした時は180でした。増えている1校は広尾学園小石川だと思います。そのうち23区内になる学校が136校、23区外が45校です。
ちなみに都内の国立中学は8校、公立中高一貫校は11校で去年とは変わっていません。
・東京以外
東京の次に多いのが神奈川県で59校、埼玉県は30校、千葉県が24校です。
23区内が突出して多いのがわかります。
・都内私立中学の共学校数、男子校数、女子校数
都内私立中 181校
共学校 82校(45%)
男子校 32校(18%)
女子校 67校(37%)
約半分が共学校です。男子校は思ったより少ない32校(18%)にとどまっています。
以下の記事に近年、共学化した学校の一覧があります。
別学から共学化する学校を20年分調べたら、特徴とか傾向がいろいろわかった件 - 中学受験の下書き
都内には、ここ10年で共学化された学校数が11校ほどあり大半が元が女子校(からの共学化)なので、10年前は女子校が共学校よりも多かったということがわかります。
・神奈川県私立中学の共学校数、男子校数、女子校数
神奈川県私立中 59校
共学校 27校(46%)
男子校 11校(19%)
女子校 21校(36%)
共学校・男子校・女子校の比率は東京とほぼ同じです。東京と神奈川は入試日開始日も同じですが、男子校、女子校の比率も近い傾向があるようです。
・埼玉県私立中学の共学校数、男子校数、女子校数
私立中 30校
共学校 24校(80%)
男子校 3校(10%)
女子校 3校(10%)
東京や神奈川と違い、共学校が8割と圧倒的に多くなります。
・千葉県私立中学の共学校数、男子校数、女子校数
千葉県私立中 24校
共学校 22校(92%)
男子校 0校( 0%)
女子校 2校(08%)
千葉ではさらに共学校が増え9割以上が共学校、なお千葉県に男子校はありません。
以下、東京都内の学校の偏差値に注目していきます。
四谷偏差値50以上に限定する
・都内私立中学で偏差値50以上の学校数
都内私立中で偏差値50以上の学校 52校→
共学校 14校(27%)
男子校 19校(36.5%)
女子校 19校(36.5%)
共学校が一番少なくなりました、男子校と女子校の数が同じ。男子校の割合が18%→36%と倍に増えました。
四谷偏差値60以上に限定する
・都内私立中学で偏差値60以上の学校数
都内私立中 27校→
共学校 5校(19%)
男子校 12校(44%)
女子校 10校(37%)
共学校がさらに少なくなり、偏差値50以上に比べるとさらに男子校が増えました(36.5%→44%)。偏差値60以上になると、男子校、女子校のいわゆる別学校は合わせて81%と8割を超えます。
まとめ的な…
男子校は都内私立中学全体からみると18%と少数派だが、偏差値50以上だと36.5%、偏差値60以上だと44%と偏差値帯が上に行くと男子校の存在感が際立つ傾向がある。
女子校は偏差値区切りなし、偏差値50以上、偏差値60以上、いずれも37%程度を占めており、結果として高偏差値帯である偏差値60以上では男子校・女子校のいわゆる別学校が81%になる。
近年、男子校や女子校から共学化に踏み切る学校が多いがその多くが偏差値帯が低い学校が多いようだ、あとは大学付属とか。
偏差値60以上の高偏差値帯の学校は男子校・女子校の別学が主流だが、ただし共学化すると偏差値が上がる傾向があるため、今後は偏差値60以上の高い偏差値帯でも共学校の割合が増えていくのではと思われる。