今回のテーマは「都内私立中学の共学校、男子校、女子校の数について」という話です。ちょろっとやったテーマですが、2021年6月最新データで追跡します。
調査の前提
① 中学校検索 | 首都圏 | 中学受験情報の「スタディ」 から学校数をカウントしています。
② 偏差値は四谷大塚80偏差値で、試験日・男女別偏差値のうちもっとも高い偏差値を使用しています。
首都圏の学校数をカウントしてみる
・東京
都内私立中学は181校。今年1件増えていますが、広尾学園小石川だと思います。そのうち23区内になる学校が136校、23区外が45校です。
ちなみに都内の国立中学は8校、公立中高一貫校は11校で去年とは変わっていません。
・東京以外
東京の次に多いのが神奈川県で59校、埼玉県は30校、千葉県が24校です。
23区内が突出して多いのがわかります。
・23区内私立中学の共学校数、男子校数、女子校数
都内23区内私立中 136校
共学校 54校(40%)
男子校 27校(20%)
女子校 55校(40%)
共学40%、別学60%
都内23区外私立中 45校
共学校 30校(67%)
男子校 4校( 9%)
女子校 11校(24%)
共学67%、別学33%
都内(23区+23区外)私立中 181校
共学校 84校(46%)
男子校 31校(17%)
女子校 66校(36%)
共学67%、別学33%
23区内は学校数が多く別学割合が60%と高いのが特徴です。
狭い面積に多くの学校があるため学校の選択肢の幅が広くなります。
学校の数が多い→別学の割合が高そう。
23区外は共学の割合が67%と多くなります。
以下の記事に近年、共学化した学校の一覧があります。
別学から共学化する学校を20年分調べたら、特徴とか傾向がいろいろわかった件 - 中学受験の下書き
都内には、ここ10年で共学化された学校数が11校ほどあり大半が元が女子校(からの共学化)なので、10年前は女子校が共学校よりも多かったということがわかります。
・神奈川県私立中学の共学校数、男子校数、女子校数
神奈川県私立中 59校
共学校 27校(46%)
男子校 11校(19%)
女子校 21校(36%)
共学校・男子校・女子校の比率は東京(23区+23区外)とほぼ同じです。東京と神奈川は入試日開始日も同じですが、共学校、男子校、女子校の比率も近い傾向があるようです。
・埼玉県私立中学の共学校数、男子校数、女子校数
私立中 30校
共学校 24校(80%)
男子校 3校(10%)
女子校 3校(10%)
東京や神奈川と違い、共学校が8割と圧倒的に多くなります。
・千葉県私立中学の共学校数、男子校数、女子校数
千葉県私立中 24校
共学校 22校(92%)
男子校 0校( 0%)
女子校 2校(08%)
千葉ではさらに共学校が増え9割以上が共学校、なお千葉県に男子校はありません。
以下、東京都内の学校の偏差値に注目していきます。
四谷偏差値50以上に限定する
・都内私立中学で偏差値50以上の学校数
都内私立中で偏差値50以上の学校 67校→
共学校 24校(36%)
男子校 21校(31%)
女子校 22校(33%)
偏差値を50以上に限定すると共学校、男子校、女子校の割合がほぼ同じになりました。
四谷偏差値60以上に限定する
・都内私立中学で偏差値60以上の学校数
都内私立中 32校→
共学校 8校(25%)
男子校 12校(37.5%)
女子校 12校(37.5%)
共学校がさらに少なくなり、偏差値50以上に比べるとさらに男子校・女子校の割合が増えています。偏差値60以上になると、男子校、女子校のいわゆる別学校は合わせて75%と4校のうち3校は別学校です。
ただし偏差値60以上の別学校の割合は前年の80%に比べると減っています。これは共学校の難易度が上がったことも関係しているのかもしれません。
四谷偏差値65以上に限定する
・都内私立中学で偏差値65以上の学校数
都内私立中 15校→
共学校 5校(33.3%)
男子校 5校(33.3%)
女子校 5校(33.3%)
偏差値65以上となると共学校、男子校、女子校の数が5校ずつになりました。
ちなみに学校を列挙すると以下になります。
共学校:青山学院中等部、慶應中等部、渋谷渋谷、広尾学園、早稲田実業
男子校:麻布、海城、開成、駒場東邦、早稲田
女子校:桜蔭、鷗友、女子学院、豊島岡、雙葉
まとめ的な…
・首都圏の私立校は23区に集中している。学校の数は23区>神奈川>23区外>埼玉>千葉
数が多いと別学の割合が高い傾向がある。埼玉、千葉は別学校の数が少ない。
・男子校の割合は17%だが、偏差値50、60、65で区切ると30%を超えるため、男子校の存在感が増す。
・女子校は偏差値区切りなし、偏差値50以上、偏差値60以上、いずれも33%~37%程度を占めています。
結果として高偏差値帯である偏差値60以上では男子校・女子校のいわゆる別学校が75%になります。
偏差値60以上の高偏差値帯の学校は男子校・女子校の別学が主流ですが、ただし共学化すると偏差値が上がる傾向があるため、偏差値60以上の高い偏差値帯でも共学校の割合が増えていくのではと思われます。