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【中学受験】午後入試のメリットや注意点を徹底解説【午後受験】

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近年、午後入試を行う学校が増え、多様な併願戦略が考えられるようになりました。午後入試の科目数も1科目または2科目であったり、特色入試を導入する学校も増えています。午後入試のメリット・デメリットや注意点を解説します。

午後入試の状況

増加傾向の午後入試

受験生としては受験機会を増やせて選択肢が広がり、学校側からはレベルの高い受験生を確保できる可能性がある午後入試は、近年、毎年数校が参入している状況です。2021年は獨協と神奈川大附属が午後入試を新設、また共学化し中学校募集を再開した広尾学園小石川も2月1日、2日、3日、4日に午後入試を連発し、結果として都内最大人数の受験生を集めることになりました。

導入時はキワモノ扱いされた午後入試

2000年代初頭に導入し始められたときは、それまでの受験ではない特殊性から『イロモノ扱い』された午後受験でしたが、今では、午後入試を行う学校は東京神奈川で150校とも言われています。広がってきた背景には、インターネット出願により出願自体の負担が軽減されたこと、前日までの出願可能になったことなどの理由もあります。

午後受験で躍進「東京都市大付」

午後受験で進学実績を伸ばした学校としてよく上げられるのが、東京都市大学付属です。芝、駒場東邦などの難関中と併願も目立ちます。
従来、付属校でしたが、近年は大学合格実績も伸び、国立、早慶、MARCHへの合格者が増え、進学校化が進んでいます。一方、内部進学で東京都市大に進む人は減っているのが現状です。また、広尾学園も立地が良い午後受験校として御三家の併願として人気を集めています。

 

午後入試を受ける割合

中学受験、午後入試は受けた方がいいの? | インターエデュ

このアンケート結果によると

「受ける」…58.0%、「受けない」…23.1%、「迷っている」…18.9%

受け人が6割となっています。思っていたより多い。

迷っている理由は…

・翌日の入試にひびきそう。
・受験生の体力面等の負担が大きい。
・スケジュールがハード。
・コロナなど感染症の不安。
・勉強時間が足りない。

とのこと。

午後入試のメリットとデメリット

午後入試のメリット

受験機会を増やせる、合格校を増やせる

単純に受験機会が増え、合格校が増える可能性があります。関東では、7校出願、5校受験、3校合格、の『七五三』が良いと言われることもあります。7校出願、5校受験というのは関西より多く、それを支えるのは午後受験であったり1月校だったりします。

午前中に強気な併願ができる

午後受験を組み合わせることにより、強気な併願も現実味が出てきます。

例としては、1日開成、2日聖光(栄光)、3日筑駒 4日聖光(芝) 5日渋渋。かなり強気な併願で、合格率が微妙というとき、1日午後受験で広尾学園や巣鴨を抑えることができれば、この併願のままで行くという選択肢もできます。

もちろん広尾学園や巣鴨にもある程度の魅力を感じていて、「行ってもいいかな」という気持ちがあるのが前提です。もし広尾学園が残念だった場合には、後半の受験校を変えることも可能ですし、併願のパターンを多く持つことができます。

合格が早くもらえる可能性

2/1午前入試校(1校目)と2/2午前入試校(2校目)の発表が両方2/3の午前中ということがあります。この場合2/3午前入試校を受験しにいくときは合格が一つもない状態で受験することになり、プレッシャーがかかります。

そこで2/1の午後入試を受験すると多くが2/1、遅くとも2/2昼には合格発表があるので、2/3の入試前に合格を手にできる可能性があります。

2019年ぐらいから入試の日程の前倒しが進んでおり、現在では1月校も含めて、2月2日夜までには行っても良いと思える学校の合格を1つ取っておくというのが基本戦略になります。

勢いにのる、悪い流れを断ち切る可能性

例えば1日午前校で不合格だったとしても、1日午後で合格を取っておけば メンタル的にも落ち着けますし、受験の中盤~後半戦にかけて、より高い学校を狙っていくことも可能です。一つの合格で勢いが出てきたり、不合格の連鎖という悪い流れを断ち切れたりできます。

2月受験は短期決戦でメンタルの影響が大きいので午後受験をうまく活用すると良い流れを作ることができます。

優遇措置が得られる可能性

午後受験に限った話ではないでうが、複数回受験すると優遇措置として加点される学校があります。午後受験で優遇措置がある場合はそれを考慮し加点狙いで午後受験をするケースも考えられます。

会場の雰囲気に慣れる

午後を含めて複数回受けると試験会場の雰囲気に慣れた状態で受験することができます。また基本的に問題傾向も同じことが多いので、2回目以降は落ち着いて試験を受けることができ、実力も出しやすいものです。

午後入試のデメリット

体力的、精神的な疲労

午前の学校から、午後の学校への移動、2つの受験など体力的、精神的にもかなり厳しくなることが、午後受験最大の懸念事項です。体力的な問題は子供より大きく異なり、全く大丈夫な子と翌日まで影響が出てしまう子などさまざまです。

・移動経路に余裕があるを確認しておく

・午後入試校は受験科目が少ない学校を選択する

・前泊でホテルに泊まるなど体力温存に最大限気をつかう

といって対策が必要になります。

例えば、模試でも午前と午後で別の会場でテストを受験するケースがありますので、午後受験の事前練習と考え、午後に集中力が持続するかなど、体力的・精神的な適正を確認したり、試験と試験の間に手早く昼食をとれるかなど、午後受験を想定したシミュレーションをやっておくのも良いです。

落ちた場合翌日に引きずる

午前に適性またはチャレンジ校、午後に抑え校というパターンが多いと思いますが、両方不合格の場合は精神的なダメージはかなり大きいです。親としては落ちた場合はもちろんのこと受かった場合でも、その次、翌日の受験に影響を最小限にするように配慮する必要があります。

合格した場合に気が緩む可能性

不合格はダメージが大きいですが、合格して気が緩むのも困ります。第一志望、上位志望は午前受験の学校であることが多いので、緊張感を持続しつつ次の日以降の試験に臨む必要があります。

対策に手が回らない

問題にクセがある場合、対策をする必要が出てくるかもしれませんが、午後入試校は志望順位が低いことが多いので対策に手が回りにくくなります。

志望順位が低い場合には、対策しなくても合格できるところ、問題のクセが少ないところを優先的に考えるべきです。

学校を調べる時間がない

午後受験校は上位志望ではないことが多いので、学校説明会に出ていなかったり、学校の情報集めが不十分だったりします。学校説明会には出席し情報を最低限集めておく必要があります。 

 

移動が大変

午前と午後の移動は精神的にも気を使います。

午後受験がある人は優先的に会場から出してくれる午前受験の学校もあります。

体力的な負担を考えて車で移動しようとして渋滞で遅刻というケースも実際ある話で注意が必要です。あとどこで昼食を取るかというのも悩みどころだったりします。

二月の勝者にそういうシーンがあったりします。

午後入試で昼食を食べる時間がない、場所がないというリスク

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午後入試全体的なアドバイス

2月2日までに行っても良い学校1校の合格を

1月校も併せて2月2日までに行っても良いと思える学校の合格を目標にする。

午前、午後の連続チャレンジは危険。合格を取れる学校を併願校に入れておくこと。

1科目、2科目入試をうまく活用する

 午後入試は算数1科目や2科目となっている学校が多いです。科目を減らして午後受験をすることで体力的な負担を抑えるというのもよいと思います。
 算数好きにとっては、算数1科目入試は精神的に楽で、疲れも少ないものです。

 科目間の成績のバランス次第ですが、4科目のほうが良い場合もあります。

 

午前と午後の移動に気を付ける

電車で移動が原則。公共の交通機関のアクシデントで遅れた場合は配慮してもらえることが多いので。まずは午後受験校周辺までの移動を最優先させる。

歩き回った末に昼食が食べられないという最悪な事態は回避すること。それなら事前におにぎりなどを準備しておく。

模試で午前と午後に別の模試を受けるなど、1日2回受験ができる体力があるのか?移動できるのかの確認をすると良い。

 

対策が必要な学校は受験しない

午後受験は対策が不要なところしか受けないなど割り切りも必要。対策なしで合格できる学校、問題にクセがない学校を選ぶこと。
例えば、普連土の午後入試は算数1教科で体力的な負担が少なく、問題も基礎問題が中心となっている。

答え合わせをしない、終わった受験のことを考えない

これは午後受験に限った話ではないですが、午後受験を入れると2月1日2日で4校とか受験可能ですが、終わった受験のことは考えてもいいことはありません。

 

午後は受けられるだけ受けるというスタンスは考え物

たとえ下位希望の第4第5希望だったにしても落ちると凹むものです。

対策できてたら合格したのでは?という状況は後に引きずる可能性もあります。受かればもうけものという考えだったにしても、不合格は凹むことが多いので注意してください。

受かればもうけものというより、しっかり押さえようというスタンスで受験できる学校のほうが良いと思います。

第1志望前日の午後受験はよく考えて

例えば、2月2日が第一志望の学校受験の場合は2月1日の午後受験は控えたほうが良いかもしれません。体力温存はもちろんのこと、前日の午後受験でアクシデントがあった場合、2月2日の本番に影響がでる可能性もありますので。

 

行く気がない学校、物理的に行けない学校の受験は注意

確かに合格は精神的に落ち着いたり、お守りにはなりますが、行く予定のない学校の合格ばかりは時間的、体力的に無駄です。
 必要以上の合格よりも、家で体力を温存したり、本命に向けてちょっとした勉強をやるほうが効果的かも。

 

午前受験終了時にできるだけ学校を早くでる方法

午前受験終了時は移動のためにできるだけ早く学校を出たいものです。

一部の学校は午前受験終了時に午後受験がある受験生だけ別に先に出してもらえることがあります。普通は受験番号順に学校から出られることが多いので、午前校の出願を極力早く行うなど若い受験番号を手に入れておくほうがいいです。

女子御三家など午前で面接がある場合はざっくり受験番号順に面接が行われ(厳密には学校ごとに違う、別途面接のタイムテーブルがある)、面接が終了次第学校を出ることができます。

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