今日は過去問について
この時期に過去問かくあるべきという話や体験談を目にすることがあります。
・「過去問は満点が取れるまで繰り返してやるものだ」と塾の先生に言われた
・「過去問は20年分10回繰り返して解いて合格した」という体験談を読んだ
このような話はかなりあります。簡単に言うと過去問は絶対バイブルなので、そこに特化し繰り返すという勉強法です。
実際に塾の先生でもそのようなことを言っているのを見聞きするのでメジャーな考え方のひとつなのかもしれません。
これってどうなんでしょうか??
メリットとデメリットを整理してみる
メリット
・一つのアイテムにこだわるという勉強法は自信になる
・過去問に限らず良質な教材を繰り返す「身につける」ことは良いこと。
繰り返しの勉強法、復習を重視の勉強法は強いです。1度の復習でわかったつもりでも、時間を置いてやると出来なかったりします。
過去問は良質な教材であることは言うまでもありません。
・その学校の問題傾向、出題ポイントをより深く知ることができる、年度による違いや問題の傾向の変化を体験できる。
デメリット
・時間的にできない、効率的な問題がある
→どんな勉強法もやってマイナスになることはないです。ただ効率的かというとなかなかそうはいかないと思います。今でも時間がなく、現状の勉強にプラスしてやることは不可能ではないでしょうか?
過去問20年分10回というと試験時間だけでもざっと計算しても600時間以上かかります。今日から2月1日まで1日6時間毎日やり続けて終わるか終わらないかいうぐらいの分量です。慣れたり、いろいろ省いても1日3時間ぐらい使う必要がありそうです。
逆に言うとポイントを絞ってやるというのはアリだと思います。
算数だけ古いものからやるとか、時間をかけずに問題傾向の変化を追ってみたり、理科の苦手分野の問題を選んでやるとか、そのような使い方はいいと思います。
あと過去問でできなかった問題を時間をおいて再度やってみるとのはやるべき復習です。あくまで過去問全部をひたすら繰り返すという勉強法はよろしくないという話。
効率を重視することを忘れないこと。
・問題傾向は変わる、今の時代には意味のない問題もある
学校によりますが、問題傾向はかわっていきます。問題傾向と一言で言いますが、ざっくり言うと
変わりにくい傾向:高得点勝負か高難易度か、思考力問題か?
変わりやすい傾向:算数の出題分野、記述問題の量と質、問題の解い方、国語の素材文のテーマ、社会の出題傾向
社会・理科の統計資料はデータ自体が昔のものとは違います。
一般的に進学校はサイクルが短く付属校は少しサイクルが長い傾向があります。
ここ数年、5年前、10年前、20年前と考えると古いものほど今とは傾向のズレが大きいため、重要度はかなり減っていると思います。
・初見の問題に触れる機会が減る
デメリットで大きいのがこれ。過去問に限らず復習特化型の勉強法は初見の問題に触れる機会が減ります。たとえば上位校で問われることが多い算数の思考力を問う問題は、その場での初めて見る問題に対しての対応力が大事になります。
一方、初見問題だけやっていればいいと言うわけではなく、過去に間違った問題の復習も大事で、初見と復習のバランスが大事だと思います。
まとめ
・過去問に特化する勉強法はメリットもあるが、効率的ではない面もあるためあまりおすすめしません。算数だけ、苦手分野だけとかならアリ。
・間違った問題、重要度の高い問題を繰り返し復習するのは良い。
・問題傾向は変わる、古ければ古いほど今の問題との乖離が大きい。
・過去問に限らずですが、初見問題と復習問題のバランスが大事。どちらかに偏らないのが良い。