『東工大で紙飛行機コンテストがあり、紙を丸めて投げただけの人が優勝してしまう』というなんとも興味深いニュースが起きてましたのでご紹介。私、このニュースを見逃しており今日気が付きましたが、アングラニュースとして話題にあがっていたようです。
紙飛行機コンテストで紙を丸めて投げただけの人が優勝と3位になった
ツィッターで東工大一年のてるるんさんが、同大で行われた紙飛行機コンテストで紙をまるめてなげただけで3位となり賞状をもらったというと投稿を行った。1位の人も同じく、紙を丸めて投げた人だったという。
紙を丸めて投げただけで賞状がもらえた。 pic.twitter.com/YCjMXCHg8N
— てるるん🪂東工大一の数弱&化強 (@terurunchan) 2021年6月1日
どんなルールだった?
• 『1機A3ケント紙2枚以内』の条件で1名1機製作
— てるるん🪂東工大一の数弱&化強 (@terurunchan) 2021年6月1日
• 使用できるもの → ケント紙,のり,おもり
• おもりはクリップ20個以内(それ以上は失格)
• 飛行距離と飛行時間を計測し,総合ポイントを競う
• 飛行距離は床の距離表示で計測
(機体が停止した位置までの距離)
• 飛行時間はストップウオッチで計測
— てるるん🪂東工大一の数弱&化強 (@terurunchan) 2021年6月1日
(機体の一部が最初に落下するまでの時間)
• 発射装置の使用は不可
• 総合ポイントは換算式により算出する
(2.5秒間の飛行時間と部屋の端から端までの飛行距離が等価)
どうして紙をまるめて投げたのか?
「本番前に試し投げという形で、作った飛行機を投げることができたのですが、そこで自分を含め他の人の大多数が、うまくいって3メートルくらいしか飛ばないということに気づき、(自分は)これなら丸めたティッシュの方が飛ぶのではと思い立ち、このような(紙を丸めた)機体を作ろうと思えた」(てるるんさん)
紙飛行機コンテストで、紙を丸めて投げてみた結果→3位入賞 こんなのアリ?受賞者に勝因を聞いた(全文表示)|Jタウンネット
ちなみに優勝した人は?
てるるんさんは、3位だったが、優勝した人も紙を丸めて投げた人だった模様。
「優勝者も同じ発想だったのですが、中にクリップを上限として定められている20個入れ、さらになるべく球形にすることで着地後に転がるようにしていたことから、機体の面でも僕の斜め上を行っていると感じました」
案外バカにできないこのニュース
発想の転換
・紙飛行機という名前に惑わされていないか?
・先入観を持っていなかったか?
常識を疑えとはいいますが、なかなかできることではないかもしれません。
このコンテストには明確なレギュレーション(ルール)があり、そこを逸脱しなければ大丈夫と考え、従来の考え方にこだわらず発想を広げることは大事なことです。
ルールの穴をつくというと聞こえが悪いですが、発想の転換が新しい発見を生むことがよくあります。
バサロ泳法と回転飛び
これと同じような例として、背泳ぎの潜水泳法(バサロ)があります。
1988年ソウルオリンピック背泳ぎで鈴木大地さんは、背泳ぎではありますがスタート直後、潜水で30メートル泳ぐバサロ泳法で金メダルをを取り話題になりました。(その後、潜水できる距離が大幅に短く制限されバサロ泳法の有利性は軽減されています)
潜水でいけるだけいくというのはそれまでにない泳ぎ方でした。
他にも陸上競技の「走り幅跳」の回転飛びがあります。
走り幅跳びの飛び方というと、空中を走るように跳ぶ「ハサミ跳び」や、身体を反らせる「反り跳び」が主流ですが、実は一番遠くに跳ぶためには、空中で前方宙返りをする、「回転跳び」であると言われています。
回転跳びは発想の転換から生まれた飛び方で、記録上は圧倒的に有利な飛び方でしたが、あまりに危険すぎるということで現在の陸上競技では禁止されています。禁止になったのは1976年ということなので思ったより最近ですね。回転飛びについてはこちらのサイトに連続写真があります。
陸上競技のルーツをさぐる41 – 筑波大学陸上競技部OB・OG会
youtubeライブ配信の使い方
私の知っている人で、自分が机で勉強している動画をyoutubeでライブ配信しつづけている人がいます。その方は「自分は一人で勉強するとサボってしまう、だからライブ配信することで誰かに監視してもらっている。それで勉強の効率があがる」といいます。youtubeのライブ配信の面白い使い方です。さらにこの方はyoutubeライブ配信の概要説明に「もしサボっているのを見つけたら、コメントしてください。先着1名様にアマゾンギフトを差し上げます」と書いてます。これも勉強をサボらないようにするアイデアの一つだと思います。
さいごに
話はそれましたが、紙飛行機コンテストで紙をまるめて投げたという話。
バカバカしいけど侮れないニュースでした。
最後に一つ感心したのは、このコンテストを主催した教授が紙をまるめて投げた人を失格にしなかったということです。紙をまるめて投げるというのは教授の想定外だったことだと思うのですが、ルールを逸脱していなければOKという判断があり、発想の転換も大事だと考えたのかもしれませんね。