中学受験で最も大事な科目算数。算数ができるだけで合格にかなり近づきます。得意でなくとも苦手意識は払しょくしておきたいところです。今回はやらかすとかなりショックが大きい「問題の意味を取り違えている」というケースについて。
問題の意味を完全に取り違えているケース
誤答要因はいろいろとある
問題を間違うと一言でいってもさまざまな要因があります、複数の要因がからむケースもあります。
①計算間違いやミスなど本来正解できてもいい問題だった。
→もう1回解くと普通に正解できたりするのが特徴です。2回目解いて正解できるなら1回目で正解してくれっ、ていいたくなりますね。
②考え方が定着していない、公式の使い方が違う、理解があいまい。
→図や表が正しくかけていなかったりします。旅人算で追いつくときは二人の速度を引く、出会うときは足すとか考え方ではなく公式だけで覚えようとしたらいざというときに使えません。
③応用問題の演習不足、まだ基礎段階で応用レベルに達していない。
→手も足もでないケース。まず基礎を固める必要があり、その後の演習問題で少しずつ解けるよういなってきます。
で、今日紹介するのは意外に多い、「問題の意味が理解できていない」「問題の意味を完全に取り違える」というケース。
問題の意味を完全に取り違えているケース
「ウチの子供はそこまで馬鹿じゃない!」とか言われそうですが、意外に多い間違いです。算数が得意な子でも思い込みで判断してしまうケースもあります。
列の人数は?
ウチの子が混同していたケース。
チケット売り場に人が並んでいます。
(1)列が10人から20人に増えました。
(2)列が10人から20人増えました。
このように並べて書いてあると、(1)と(2)が違うことがわかりやすいと思います。どこが違うでしょうか。『に』があるか、ないかの違いですが。。。
(1)列が10人から20人に増えました。→列に並んでいる人は20人
(2)列が10人から20人増えました。→列に並んでいる人は30人
「に」の1文字があるかないかで意味が変わってきます。
算数の問題なら、この読み間違いだけでもう正解にはたどり着けません。
大人なら簡単ですが、子どもは思い込みで判断してしまうケースも多く人数を間違ってしまうことが多くあります。
間違う子供は2種類に分けられます
・文章を感覚で読んでいる、読み方が雑なので、こういう問題だと決めつけて解釈してしまっている。
→これは問題文にアンダーラインを引くなど丁寧に読むことで解決できます。テスト中ではないなら問題の音読でもいいです。
・そもそも(1)と(2)で違いがあることが分からない、説明できない。
→意外に多いのがこのケース、これは国語力の問題ですが、ゆっくり図や絵を書いて教えるのが効果的です。
「なんで分からないの!」と子供をつめてはいけないです。まずはゆっくり説明して時間をおいてもう一度聞いてみるのがいいと思います。
問題の意味を取り違えている場合は、本人が意味が理解できていないことを気が付きにくく、なんとなくで対応してしまうことが多くあるので注意したいところです。
ちょっと違いますが、国語で句読点の位置の違いで意味が変わる有名な例があります。
『わたしは笑いながら逃げる弟を追いかけた。』 笑っているのは、私?弟?
→『わたしは、笑いながら逃げる弟を追いかけた。』→笑っているのは弟
→『わたしは笑いながら、逃げる弟を追いかけた。』→笑っているのは私
句読点の違いで文脈が変わります。
団体割引の問題
「1人1000円の映画、10人までは1人につき、1000円の料金となります。
10人を超える分については1人500円です。15人で見た場合の料金はいくらでしょう?」
大人だったら感覚的にも実生活でもよくある状況なので、わかりやすいと思います。
10人までは1人で1000円なので10x1000=10000円
残り5人は、5x500円=2500円。10000円+2500円=12500円です。最初に10人は正規料金、(10人を超える)5人は割引料金が適用されます。
ところが子供に問題を解かせると、
15人x500円=7500円とする子供が意外に多い。算数の成績が悪くない子供でもこういう間違いをすることがよくあります。
その考えだと、10人だったら10000円、11人だと5500円になってしまいます。団体料金の考え方は大人は慣れていますが、子どもは間違った理解をしがちです。
対策
この手の間違いは落ち着いて問題文を読み直す、経験を積むことで誤解が少なくなってきます。間違ったときにすぐに修正するのが効果的です。子どもは「たまたま間違っただけ」みたいなことを言い出し、問題の意味を取り違えているという要因と向き合おうとしない場合が多くあります。
そもそも単に〇×をつけるだけの勉強しかできていない場合は、問題の意味を取り違えているという根本的な問題に気が付くことができません。誤答要因をはっきりさせ、対応するということが大事になります。
私の勘違い
ここまで読んで読み間違うなんて普通ないでしょ、とか思いませんでしたか。最後に私が完全に間違ったケースを紹介します(そしていまだに納得いってない)。ちょっと複雑な問題なので、こんな感じかぁと読み進めてください。
A地からB地に行くには、バス、電車、モノレール、自転車
B地からC地に行くには、バス、電車、自転車
C地からD地に行くには、タクシー、ケーブルカー
の交通手段があります。A地からB地、C地を経由してD地まで行き、C地、B地を経由してまたA地まで戻ってくる往復の道順は全部で何通りありますか?ただし行きに自転車を使ったルートは必ず自転車を使って戻らなければならないものとします。
私が計算したところ答えは200通りだったのですが、解答を見ると364通り。解説がないので、どこが間違っているのかわからない。細かい計算をやり直しても間違いがない。
うーん、わからん。
ポイントは最後の一文「ただし行きに自転車を使ったルートは必ず自転車を使って戻らなければならないものとします。」
このルールは「A→Bを自転車で行くと帰路ではB→Aは必ず自転車で戻る」というルールで、私は【Aにレンタル自転車屋さんがあるイメージで、Aから自転車でBまで行ったら帰路では、自転車でB→Aまで戻って自転車を返却しなければいけないイメージ】と解釈しました。当然B→Aだけ自転車で行くことはNGです。
長時間試行錯誤したところ、どうやら「A→Bは電車、帰路のB→Aは自転車」というのもOKらしいのです。たしかに問題文に帰路だけ自転車を使うのがNGとは書いていませんが。その条件で計算しなおすと364通りと(とりあえず作問者の)正解と同じになりました。
で何が言いたいかというと「問題の解釈は結構難しいことがあり、間違えやすい」、「一度思い込むとなかなか抜け出せない」ということです。
問題演習やテスト直しのときに単に「正解した」「間違った」ではなく、どこが間違ったのかをいうのをきちんと考えてやる必要があります。問題文の解釈間違いは時間をおかずにそのときに修正しておくのが良いです。
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