中学受験の下書き

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勉強・体格・スポーツ等の遺伝的影響力を数値化。数学87%・収入59%・音楽92%・マリファナ61%…

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能力は多くが「遺伝で決まる」と言われることがあります。そうでしょうか?

 

数学は?音楽は?性格は?さまざまな能力や形質について、どの程度「遺伝要因」が影響しているのか調査した結果がAREAにありますのでレビューしていきます。

 

能力には2つの要因があると言われています。

「遺伝要因」:遺伝的に親から受け継いだ能力

「環境要因」:生活や教育による身につけた能力

先天的なものと、後天的なものといっても良いでしょう。

そのうち遺伝的要素がどの程度の割合かというの調査したものがあります。以前にも取り上げたことがありますが、この結果を見ていきます。

遺伝の影響についての記事、ざっくり3行でまとめ

・遺伝の影響が大きいのは指紋(ほぼ100%)、体格、音楽、スポーツ、執筆能力そして数学!

・性格については30%~50%、学力については50~80%、反社会性、マリファナ依存は約60%が遺伝の影響である。

・収入(=才能、能力の結果)で見てみると、遺伝影響は20代前半では20~30%と少ないが40代では60%弱にまで増える。 

記事のレビューとコメント

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遺伝と影響が様々な形質に与える影響として項目ごとにどの程度遺伝が影響するかが元記事ではグラフになっています。まず圧倒的に遺伝が90%以上影響するもの。指紋98%、体重、身長が90%以上。だいたい実生活でも納得いくことが多いのではないでしょうか?続いて音楽。これも90%以上。音楽一家というのは多いですし、音感とか音楽的センスとかは遺伝と言われたらそのような気もします。

続いて遺伝が80%以上影響するもの。数学87%。今までのものと違って数学には後天的なイメージがありませんでしたか?思っていたより遺伝要素が強いという印象です。

続いてスポーツ。これも遺伝要素が強い印象です。スポーツ一家で同じスポーツで有名だったり、兄弟が別のスポーツでトップになったりと遺伝要素が強いです。ハンマー投げ金メダリストの室伏広治選手、お父さんもオリンピックに出ていますし、お母さんもルーマニアの陸上選手でした。(余談ですがハーフの方はハーフではない方よりもスポーツで好成績をおさめやすいと聞いたことがあります)、そのそも体格が遺伝要素が強いため、体格が競技結果に結びつくスポーツはなおさら遺伝的な要素が強くなるものと思われます。各カテゴリごとにみていきます。

 

学業関連

数学87%、算数72%、国語67%、理科63%。この順番も言われたらさほど違和感ないかなと思いました。遺伝的要素は幼少よりも成人のほうが差が生まれやすいようです。

性格関連

勤勉性、開拓性は52%、神経質、外向性は46%が遺伝の影響です。同調性は30%台と他の性格に比べると、遺伝よりは環境の影響が大きいようです。

才能関連

音楽は90%以上、執筆、数学、スポーツが80%台。高くないものとしては、美術、外国語、チェスが50%前後。記憶・知識が60%前後です。芸術面でも音楽は圧倒的に遺伝ですが、美術は遺伝要素がそこまで高くないのが面白いですね。

精神・発達障害

統合失調症・自閉症・ADHDなどは80%と遺伝要素高め、一方うつ傾向は40%程度と遺伝要素といより環境面の影響が大きいようです。

物質依存

アルコール中毒、喫煙、マリファナの項目がありますが50%台後半~60%だいたい一定です。依存症の6割程度が遺伝要素と考えられます。

問題行動

反社会性60%、ギャンブル50%と遺伝要素はそこまで高いわけではありません。不倫は30%と環境によるものが大きいようです。不倫は相手があって成り立つものだから環境影響が強いのではないかと思いました。

 

遺伝が収入に与える影響

20歳で22.7%→30歳で38.2%→40歳で56.5%。ピークは43歳で58.7%となる。50歳では52.3%と若干下がる。意外にも若いうちは遺伝要素の影響は少ないが中年に向けて遺伝要素が強くなっている。これは若いうちは運や景気など本人の資質とは違うところで収入は決まっているが、年齢を重ねていくと遺伝的な個人差が職能として発揮しやすくなるとのこと。

 例えば、遺伝的な要素が同じ双子がいるとすると、受験の合否や入社した会社、単純な運などで20代では二人の収入に差が出てくるかもしれないが、歳を取ってくると本来の遺伝的な能力が出てくるので、最終的な収入面では二人は近くなる傾向が(比較的)あるといえそうです。おさまるべきところにおさまる、といったところか。

 元記事ではビリギャルについても触れており、あのようなことが誰にでも起きるということはないと言っています。

だが安藤教授は「今の教育制度の中で『誰もが頑張れば東大に行ける』とか『ビリギャルのようなことが誰にも起きる可能性がある』とか言うことは、欺瞞(ぎまん)にすぎない」と指摘する。

  最後に元記事の研究は遺伝と環境の割合についての話で、遺伝にはパターンがあるとのこと。父親から、母親から、両親以外からとどこから強く遺伝影響を受けるかも人それぞれなので、父親が〇〇だから、子供も〇〇になるという単純な話になるとは限らないようです。

こちらにも遺伝と環境の記事がありますのでご参考に

「知能が遺伝する」という事実に、私たちはどう向き合うべきか? | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

 

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