中学受験の下書き

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【中学受験】埼玉最難関女子校『浦和明の星』の詳しすぎる解説【入試対策】

【中学受験】浦和明の星中学校の詳しすぎる解説、学校紹介【入試対策】

埼玉県、最難関女子校である浦和明の星。最寄り駅はJR武蔵野線の東浦和。
元々浦和明の星は、2月の東京受験の前哨戦の位置づけでしたが、今はとても人気のある学校です。
 ここ数年1800人程度の出願者でしたが、2019年入試では2000以上と人気が上昇しており2020年の出願状況も好調を維持しています。学校紹介や人気の原因についてあれやこれや書いていきます。

  • 1.受験の特記事項

・受験生2000人プラスその親が来るので行き帰り、特に帰りの道は大渋滞。
・校門から校舎までのアプローチが長く、その間に各塾の応援団。校門前の公園も塾関係者が→塾の先生から激励を受けよう!
・受験時間中は保護者はホールで待ちます。
 →待ち時間に校長先生の講話?がある。
・教室という教室を使って受験するも足りず、体育館で受験するのは有名。
 →新校舎ができたので、少し余裕はできたのかな?

  • 2.近年出願数が大幅増加

2020年の浦和明の星、他の埼玉校の出願状況はこちら。 

 

2019年に第1回の受験者数が2000人を超えて話題となりましたが、2020年入試も締切段階で2098と2年続けて2000の大台、前年より4%のプラスと好調を維持しています。

 

入試日の第1回(1/14)の受験者数を列挙します。
2011年 1937
2012年 1940
2013年 1804
2014年 1768
2015年 1798
2016年 1918
2017年 1916
2018年 1911
2019年 2043
2020年 2098

ざっくり2011,2012が多く、2014、2015年が低迷、そして2016から増加に転じ、2019年2020年とピーク。これは首都圏の中学受験者数とほぼ同じ推移となっています。

2019年、2020年、大きく受験者数が増えている理由としては
・近年の中学受験ブームの後押し
 浦和明の星は首都圏の女子上位層がこぞって受験する鉄板校なので、受験者数全体に比例する面もありそうです。 

・校舎のリニューアル
 5年程度をかけて新校舎をはじめ校舎が全体的にリニューアルされています。
 広々した敷地も含めて、首都圏の学校の中でも綺麗な学校の一つといえます。

・共学人気が一服
 埼玉にある3つの女子校、浦和明の星、淑徳与野、大妻嵐山ともに出願者が増えています。一方、埼玉共学校では受験者数を減らしているところもあることを考えると近年の共学人気が一服し女子校への回帰というのも一定数ありそうです。

  • 3.1月校としての浦和明の星

2月の東京受験が本命でその前哨戦としての受験者数が多くを占めます。
ただ単なるお試し受験というより、通学範囲内であれば、進学することも視野に入れていることが多いと言えます。

難易度は四谷偏差値65と高いので、前受を甘く見ると不合格になるリスクも高い。
2月1日御三家を本命校とした場合、
浦和明の星に合格したからといって、2月1日校に合格できるとは限らないが、
浦和明の星に不合格だからといって、2月1日校も不合格になるとも限りません。
浦和明の星不合格からの、女子学院合格、雙葉合格というのは現実的にある話です。
(浦明不合格からの桜蔭合格はほぼない)

 

  • 4.女子頂上決戦の浦和明の星受験

桜蔭、女子学院、雙葉の御三家をはじめ、難関校を受験する女子が浦和明の星を受験します。(難易度的には渋幕が上ですが、共学校であつまる人数も違う)
本命校が異なる女子トップ層が2000人集まる機会は他では見られない光景です。

男子だと女子でいう浦和明の星にあたる埼玉男子校はないと思います。

 

  • 5.受験当日の各塾の激励合戦

第1回の受験日1月14日は、男子の難関校受験日とは重ならないので、
塾講師、スタッフの応援も14日の浦和明の星に集中します。
明の星は敷地が広く、校門~校舎までのアプローチがながいので応援も大規模です。

受験生が各塾トップ層なので期待も大きいでしょう。
これぞ中学受験、という光景になります。

 

  • 6.浦和明の星、学校自体の魅力

・埼玉唯一のミッションスクール。
 女子を入学させる学校として、ミッションスクールの女子校に魅力を感じているご家庭は多いようです。ちなみによく比較される淑徳与野は仏教系の学校です。
 埼玉県内は別学校が少ないので、別学希望者は集まる傾向もあるかも。

・校舎がキレイ
 新校舎の建設、旧校舎のリニューアルが済んだばかりで入学後は綺麗な校舎べ勉強できます。首都圏の女子校の中でもかなり綺麗な方だと思います。

・新設されたカフェテリアはウッドデザイン賞を優秀賞を受賞
 超カッコイイんですけど。。。
 

https://www.shimz.co.jp/shimzdesign/works/images/2018/2018urawaakenohoshi_ph001.jpg


・敷地が広く、開放感がある。
・都心じゃない、のがいい
 都心の学校は敷地がせまいことが多いですが、浦明は東京ドームと同じだけの敷地があります。開放感があり、都心でないことは子供を預ける上でポジティブに感じるご家庭は多いです。父親受けも良いです

・進学実績
 進学に極端に力を入れている学校ではないですが、元々優秀層が入っていることもあり進学実績は比較的良く、国立、早慶をはじめ難関大学に多くの合格者を出しています。

・地元では特に人気
 東京からの受験生が多いですが、地元ではブランド力もあり人気の学校です。

・クラブ部活動
 体育系、文科系の各種部活動が盛ん。百人一首部は2018年全国高等学校小倉百人一首かるた選手権大会で優勝するなど、全国屈指の強豪。
 文化祭では、女子校ならではの部活である宝塚部が「(明の星版)宝塚歌劇」を上演し好評を博している。

 

  • 7.浦和明の星と併願校対策

2月校が本命の場合でも、浦和明の星が入学しても良い学校の一つという位置づけ選択肢もより広がります。

・2月の受験校を強気に選択
1月受験で浦和明の星の合格を取っており、入学しても良い学校という位置づけなら
それ以上の志望順位となる学校だけを2月受験することになります。


日程的に余裕ができたり、受験校が少なくて済んだりします。
→これは本命校の過去問や対策に集中できるメリットもあります。
また浦明合格があれば、午後受験は不要となるケースは現実的に多いと思います。

もし1月14日で不合格だった場合でも2月4日にもう一度受験する作戦もあります。
過去問対策を新たにやらなくても良くなります。

 

  • 8.浦和明の星の繰り上げ合格

この学校は繰り上げ合格が毎年、約40名弱(1クラス分)でます。
繰り上げ合格は1回と2回の両方受験した受験者の中から合格者を発表します。
繰り上げ合格者が多いので、それを狙って1回、2回受験するのはアリです。

 

  • 9.科目ごと入試問題と合否を決める算数

配点が国語、算数重視で、合否は算数で決まることが多い、次に国語。理科と社会は国語、算数の半分の配点。

算数(50分、100点):難関校を受験する生徒にとっては難易度は低い。合不合やサピックスオープンより簡単。
捨て問はないと思いましょう。基礎的な問題が多いので良く見る問題を速く確実に解くという能力が必要になります。
ケアレスミスには注意。速さ、比、平面図形、立体図形などは頻出。
難関校を受験する人は特別な対策はしなくてよい、算数の総合的な力を上げておくこと。

国語(50分、100点):読解の文章が長い、2題で1万字以上で首都圏トップクラス。速く読み内容を頭に入れておく力が必要。
一方、設問は選択肢、抜き出し、記述がバランスよく出題されるが、設問自体の難易度は高くない。
70点~80点が必要な高得点勝負。過去問をこなしペースを身につけること。平均点が高いので手付かずの問題があると苦しい。

理科(社会と合わせて50分、50点):
基礎問題中心。4分野まんべんなく出題される。知識問題が中心で計算問題も難易度は高くない。
御三家等、難関校が志望校の場合には、理科全体的な力を付けることで対策できるため浦和明の星用の理科対策はいらない。
高得点勝負。

社会(理科と合わせて50分、50点):
基礎問題中心、難易度は高くない。偏差値的には難関校ではあるが問題の難易度は高くなく、基礎問題中心。
苦手分野を作らないようにしたい。理科同様高得点勝負。

理科と社会で気を付けたいのは、50分で理科と社会の2科目を解くと言うスタイルだ。
過去問などを通じて解く順番は意識しておくこと、過去問を何回かやればなんとなく自分のスタイルができるはず。特定のルールにこだわる必要はないが、知識問題を手早く片付けて、社会・理科の記述問題や理科の計算時間を残すというのがスタンダードでやりやすいと思われる。科目の順番よりできる問題から手早く解くのが基本。

 

浦和明の星は、算数で合否が決まるということを過去10年分の入試データから調査してみた。↓

  • 10.過去問の得点など

何かの参考になりそうなので、過去問の点数を公開してみる↓


  • 11.その他・あれやこれや

・通える範囲が広い
最寄り駅はJR武蔵野線の東浦和。京浜東北線から南浦和で乗り換えで一駅
ということで、都内から通学できる範囲がかなり広い学校です。

・インターネット出願ではない、郵送出願、窓口出願
上位校でインターネット出願ではない学校はありますが、この学校は注意が必要。
第1回入試(1月14日)は郵送出願のみで、1月7日まで受付。
第2回入試(2月4日)入試は窓口出願のみで、2月3日まで受付。

・延納手続き
1月合格なら即座に延期手続きをとることで2月3日まで入学金の支払が猶予可能。
ただ2月3日までというのが微妙な設定で、2日、3日で2月校の合否を確認し、
不合格ならそのまま浦和明の星直行して入学金を納めると同時に2月4日、5日の出願を行うなど、綱渡り的な事務手続きになる。各自の状況によってかわってくるのでシミュレーションしておくこと。

・体育館入試の件
よく言われるのが受験番号が遅いと体育館での入試となるので寒い、という件。
受験者数が多いので教室という教室を使っても足りずにうしろのほうが体育館になります。
放送室とか、体育館の横?の部屋とか、いろいろ聞きますが、実際どういう場所で受験をしたのか、よくわかりません(笑)

・良くも悪くもミッションスクール
キリスト教の教えを取り入れている学校は割と多いですが、ここはカトリックのミッションスクールです。聖書の授業があり、キリスト教の色合いが濃いといえます。そういう意味での好き嫌いが多少でるかもしれません。

・親切、優しいイメージがある
 これはあくまで個人的な感想のレベル。ミッション系だからかはわかりませんが、学校説明会やオープンスクールなどで学校に訪れたときに、教職員の方や、明の星の生徒さんが親切という雰囲気、印象がありました。校内見学などはどこでもいつでも見てください、というスタンス。

・各塾や校舎の難関校合格力をはかるための指標になりやすい

 難関校以上を受ける女子の場合、この学校を受験するケースが多いので各塾、各校舎の合格実績を比較するときに浦和明の星の合格数を比較するケースが多いようです。

 

さいごに

御三家前受校として有名ですが、埼玉を中心に第一希望の受験生もいます。各自の状況に応じて対策を行うことが肝要です。この学校が第一希望ではないとしても、この学校の合否により2月の受験校が変わってくるケースは多いと思います。心して受験にのぞみましょう。

 

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