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複数回受験の優遇措置・メリットがある学校をまとめてみた【加点・繰上優遇】

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複数回受験の優遇措置・メリットがある学校

男女御三家などを除くほとんどの学校が複数回受験できる機会を設けており、多くの学校が複数回受験することでの優遇措置を設定しています。優遇措置といっても圧倒的に有利になるというより、ボーダーライン上のときに考慮してくれたり、繰り上げ合格の対象となったりといったものですが、受験校を決めていくうえで微妙に影響したりします。中には複数回受験でない場合には著しく不利になる学校もあるので注意しましょう。複数回受験にどのような優遇措置があるのか見ていきます。

①加点を行う

一番直接的な優遇措置です。2回目、3回目などの複数回受験時に「〇点加算」といった点数という「実弾」による優遇措置です。中には栄東の第2回受験のように300点満点で30点加算という学校もあります。そのような学校は複数回受験することが前提として考えるべきで、複数回でない場合はかなり厳しい受験となりそうです。

点数が加算される(または明確な優遇措置がある)学校一覧

●東京

明治大学附属明治:同時出願の場合、第2回の合格ボーダーライン、合計点に3点加点する。(この加算によって毎年数人が合格を手にしているとのことです)
富士見   :2回補欠合格となった場合、正規合格とする。
東洋大京北 :一定点数を加算(「哲」を含む)
東京都市大付:Ⅰ類判定時に3回受験していれば3点、4回受験していれば4点加算する。
東京電機大学:1科で5点、2科で10点、4科で15点加点して判定する。
青稜    :2回目から得点を各階に5点加算する、また追加合格の対象とする。
成城学園  :1回目の総得点の5%を2回目に加算する。
     :第2回で得点を加算する、繰り上げ合格の際に優遇する。
京華    :同時出願の場合、2科で約10点、4科で約15点加算する。
かえつ有明 :第1回、第2回特待、第3回特待のうち2回以上受験した場合、4科で10点、2科で5点加算。
桜美林   :2回目以降の当日の得点に10点加算、繰り上げ合格の対象にもする。
江戸川女子 :複数回目に5点を加算。

●埼玉

栄東  :第2回の受験が2回目の受験者に合計得点を30点加算。(300点満点なので、30点の加算なしではこの第2回受験に合格することは難しい)
細田学園:2回目は合格最低点の2%、3回目は約3%を加点。
獨協埼玉:第1回と第2回、第1回または第2回を受験し、不合格の場合、第3回の受験者に20点加点(同時出願に限る)

 

●千葉
麗澤  :第1回を受験すると、2回以降のEEコースで5点加点

 

 

②ボーダーラインの際に考慮

合格ボーダーラインで何人か並んだ場合に複数回受験の受験生を優遇する対応です。
多くの学校が導入しています。

 

③繰り上げ合格を決める際に優遇

繰り上げ合格を出すときに、複数回受験をした人を優遇する対応です。

繰り上げ合格は合格発表後の手続き人数が少なかった場合に発生しますが、基本的に毎年繰り上げ合格を出している学校もかなりの数あります。

この対応をする学校の場合、1回受験者は繰り上げ対象になるのが難しくなります。

追加合格の対象は複数回受験のみが原則⇒吉祥女子、浦和明の星、跡見学園など。
複数回受験者を「優遇」する⇒豊島岡(3回受験者が優遇される)、巣鴨など。

 

割と多くの学校で導入されておおり、②ボーダーライン上で考慮と③繰り上げ合格を決める際に優遇の両方を導入している学校も多くあります。

 

④点数良いとこどり

その他にも複数回受験をした場合、各科目ごとに最も高い点数で判定する方法があります。「科目の点数のいいところどり」制度だと思えばいいでしょう。

洗足学園の繰り上げの方法を例にあげて説明します。

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(1)1回しか受験していないAさんは、その点数が持ち点となる。
(2)2回受験したBさんは、第1回、第2回の各科目の点数で、最も高い点数がその科目の持ち点になる。表では、
 国語は第1回受験の60点、算数は第2回受験の60点合計120点が持ち点となります。
(3)3回受験したCさんは、第1回~第3回の各科目の点数で、最も高い点数がその科目の持ち点となる。
下のひょうでは、国語は第3回の60点、算数は第2回の70点、合計130点が持ち点となる。

この場合は追加合格者を出すときの持ち点算出方法ですが、追加合格でない場合も同じです。

 

点数良いとこどり制度の学校一覧

●東京

大妻中野  :科目ごとに最も高い得点で判定(第1回~第4回)、繰り上げ合格の際に考慮。
日本大学第三:ボーダーラインの際に優遇し、3回受験者は国算の最も高い得点で判定する。
八雲学園  :科目ごとに最も高い得点を合計で判定する。

 

●神奈川


横浜創英 :2科・4科受験者はかもくごとに最も高い得点の合計で判定。

横浜翠陵 :科目ごとに最も高い得点の合計で判定。

横浜女学院:科目ごとに最も高い得点の合計で判定。

学校WEBに説明があります。

入試・学校生活Q&A | 横浜女学院中学校 高等学校 

⇒「複数回受験のメリットは何ですか?

洗足学園 :繰り上げ合格を決める際、国語と算数を最も高い得点の合計で判定。
湘南学園 :B日程では2回、C日程では2回以上受験した場合に、国語と算数を最も高い得点の合計で判定する。
カリタス女子:科目(国算社理)ごとに最も高い得点の合計で判定。

鎌倉学園 :科目ごとにもっtも高い得点の合計で判定する(算数を除く)
神奈川大学附属:第1回2回3回の得点を合計して高得点順に追加合格を出す

 

今回の複数回受験の優遇措置はこちらを参考にしました。

 

複数回受験のメリット

同じ学校を複数回受験するメリットについて考えます。

・熱望校の場合、複数回受験することにより合格可能性があがる。

・学校によっては、上記複数回受験の優遇措置が得られる。

・出題傾向が同じことが多く、ばらばらの学校を受験するより、同一学校を受験したほうが学校対策が少なくて済む。

・複数回受験すると、慣れが生じるため落ち着いて受験でき力を発揮しやすい場合がある。

 

さいごに

複数回受験を行う学校の多くがなんらかの優遇措置を実施していることが多いようです。基本的にはボーダーラインでの考慮や繰り上げ合格の優遇などですが、微妙に受験戦略に影響することもありますので調べておくようにしましょう。栄東第2回や獨協埼玉の第3回のように複数受験の優遇措置があるのが前提という受験もありますので注意しましょう。では。

 

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