中学受験の下書き

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『令和の中学受験 保護者のための参考書』を読んでみた!【レビューと感想】

久しぶりに中学受験関連の本を読みましたのでレビューします。

2月19日発売の『令和の中学受験 保護者のための参考書』です。 筆者は中学受験指導スタジオキャンパス代表の矢野耕平氏です。内容は令和時代の中学受験新常識や、中学受験の向き不向き、志望校の選び方、塾の選び方・使い方など割と広く書かれています。

『令和の中学受験 保護者のための参考書』 

少子化、一流大学の合格者削減、そしてコロナ。令和に入って第3次ブームといわれる中学受験のルールが激変。親世代の「中学受験の常識」で臨めば、親子ともども不幸な結果に。中学受験専門塾で27年にわたって教鞭を執る著者が、令和版・中学受験「合格の法則」を披露する。わが子を苦しめないため、中学受験生の保護者に送る最新マニュアル。

電子書籍のポイントがあったので、発売日に早速購入してざざっと読みました。

タイトルは地味ながら「ちゃんとした本」

この手の本のわりには地味なタイトルだなと。この手の本はまず手に取ってもらわなければ始まらないので過激なタイトルモリモリなタイトルをつけるのが常套手段ですが、このタイトルは地味です。中身は、筆者の経験とデータに基づき、中学受験の初心者に必要なことを全体的にしっかり説明がされています。なんというか、奇抜なタイトルに頼ることなく、中身で勝負しようという本なのでしょう。あとSNSでちょい話題ですが、表紙の絵が微妙な感じです。

私が良いなと思った3点

・中学受験全般を広く網羅、一読すれば最近の中学受験についてざっくりわかる。
・「令和の」と銘打っている通りマウンティングやコロナ、二月の勝者、課金ゲームなど最近の話題も入っている。

・筆者は塾を経営し直に生徒を指導、また学校への取材も多く行っている。学校や塾の現場に近い内容は具体的でわかりやすい。データが豊富。

雑感 

基本を網羅しているが、その中にも筆者の主張あり(勉強面での親子二人三脚の否定や、入塾は5年からでOK等)、そこは好き嫌いが少し出るかもしれない。

本書に向いている人

・今の中学受験について広く知りたい人

 →中学受験をするならその基礎になるし、たとえ受験をしなくても、今の中学受験を知っておくことは役に立つ。

・中学受験を考え始めの人、中学受験初級者向け

 「塾には入れたけど、何をやっていいのかわからない 」みたいな方も。

・筆者のファン、文章が読みやすいと感じた方

 書かれていることの一つ一つは中学受験の基礎的項目。結局のところ、本というのは筆者の文体とか、考え方が合うかどうかなので。

 

逆にいうとマニアの人、応用発展分野を期待する人はターゲットではないかと思います。

本の内容

内容については、一部が抜粋されたWEB記事があるのでまずこれを見ることをおすすめします。タイトルだけでもなんとなく雰囲気が掴めそうです。

これらの記事を見て、もっと読みたい、自分の状況と本のターゲットが一致する、内容が自分に入ってきやすいという場合はこの本向きな方だろうと思います。

逆に「???」となったり、読みにくい!と思ったらこの本は向かないと思います。まぁ当たり前の話ですが。

 

基本的に筆者が経験とデータを元に、今の中学受験を紐解く内容になっています。

(0)消えた「中学受験生」――加熱する「中学受験」の世界に呑み込まれた家族(矢野 耕平)

(1)【麻布、武蔵、巣鴨、海城……】偏差値序列が激変! 保護者世代の常識が通用しない中学受験(矢野 耕平)

(2)親と「二人三脚」の中学受験は失敗する! 子どもベッタリの親は大学受験まで付き合う覚悟があるか(矢野 耕平) 

(3)学力差はいつから生まれるか わが子の学力をあげたい親が幼少期にするべきこと【国語編】(矢野 耕平)

(4)今からでも間に合う! わが子の学力をあげたい親がするべきこと【算数・理科・社会編】(矢野 耕平)

(5)「中学受験向きの子、不向きな子」の判別方法――親に求められる3つの「覚悟」(矢野 耕平)

(6)「限りなくフェア」な世界、中学受験。子どもの志望校選びのために保護者ができること(矢野 耕平)

(7)「共学じゃないと異性への距離感が分からなくなる」はホント? 男女別学の「長所」と「短所」(矢野 耕平)

(8)「わが子に大学受験の苦労をさせたくない」加熱する大学付属校【明治、法政、中央…】の中学受験(矢野 耕平)

 

 

ここで筆者のご紹介

矢野耕平氏。元早稲田アカデミー講師で、現在は、中学受験専門塾スタジオキャンパス、国語専科博耕房代表。指導科目は国語・社会。

動画でも見たことありますが、早稲アカ出身だけあって?か、ハキハキしたしゃべりが印象的。あと、この方板書が超うまい。本には全く関係ないですが。


SNSで話題の微妙な表紙

この本、表紙が微妙だと言われています。なんかぎこちない空気感の家族w

父親・母親とおぼしき人の表情が微妙すぎます。

「中学受験の相談に来た一家」、という感じでしょうか?

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これの意図はわかりませんが、一種のマーケティングだと思っています。 

最後に

WEBで十分すぎる情報が得られる時代になりましたが、この本に限らずですが、一冊まとまった本を手元に置いてことあるたびに読むというのは結構意味があったりします。

時間を空けて何度も読むと、新しい発見があったりしますのでそういう読み方もおすすめです。Webの記事は繰り返し読んだり、時間を空けて読んだりそういう読み方ができないんですよねぇ。

本の目次

序章 中学受験ブームがやってきた
・卒業間際に「消えた」中学受験生
・第一志望合格は三人に一人もいない
・わが子には「限界」がある
・結果責任の一端は「親」が負う
・令和の中学受験の「新常識」

第一章 中学受験向きの子、不向きな子
・入学後に伸びる子、転落する子
・学力差はいつから生まれるか
・語彙の増やし方
・科目別・塾通いの前にやっておくべきこと
・準備に出遅れたらどうするか
・わが子の積極性を引き出すには

第二章 志望校の選び方
・偏差値が意味するもの
・共学か、男女別学か
・女子校に理系女子が多い理由
・共学入試でおこなわれる「女子差別」
・大学受験をするか、しないか
・大学合格実績のマジック
・学校説明会ではここをチェック

第三章 中学受験塾という世界
・塾に通い始めるタイミング
・大手塾か、小規模塾か
・中学受験は課金ゲームではない
・首都圏「四大塾」それぞれの特徴
・良い塾・ダメな塾の見分け方
・子どもが塾を辞めたいと言い出したら
・転塾するかどうか悩んだときは?
・塾は子どもを合格させられない

第四章 中学受験期の親子関係
・わが子が自信喪失したとき
・受験直前、生活リズムの作り方
・親子が守るべき「三つの『ない』」
・「四大模試」で偏差値はこんなに変わる
・「安全校」は必ず受験する
・勝ちを掴む受験パターン実践例
・中学受験を「終わらせる」のも親の務め
・「全敗」は親のせい

終章 令和の中学受験
・親に求められる「勇気」
・コロナ禍と中学受験
・中学受験は子どもを成長させる

 

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