中学受験の下書き

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【中学受験】午後受験のメリットとデメリット、活用法と盲点など

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最近は、午後受験を行う学校が増えることで、多種多様な併願戦略が考えられるようになりました。ここ数年では科目を絞った1科目または2科目の午後受験も増え、受験者の体力負担軽減も考慮される受験も増えています。

2000年代初頭に導入し始められたときは、それまでの受験ではない特殊性から『色物扱い』された午後受験でしたが、今では、午後入試を行う学校は東京神奈川で150校とも言われています。広がってきた背景には、インターネット出願により出願自体の負担が軽減されたこと、前日までの出願可能になったことなどの理由もあります。

午後受験で進学実績を伸ばした学校としてよく上げられるのが、東京都市大学付属です。芝、駒場東邦などの難関中と併願も目立ちます。
従来、付属校でしたが、近年は大学合格実績も伸び、国立、早慶、MARCHへの合格者が増えており、進学校化が進んでいます。一方、内部進学で東京都市大に進む人は減っているのが現状です。

午後受験のメリットとデメリットを見てみましょう。

<メリット>
 
①合格学校が増える可能性
 
 単純に受験機会が増えるので合格できる学校が増える可能性があります。関東では、7校出願、5校受験、3校合格、の『七五三』が良いと言われることもあります。7校出願、5校受験というのは関西より多く、それを支えるのは午後受験であったり1月校だったりします。
 
②午前中に強気な併願ができる
 
 午後受験を組み合わせることにより、強気な併願も現実味が出てきます。例としては、1日開成、2日聖光(栄光)、3日筑駒 4日聖光(芝) 5日渋渋。ただし、合格率は結構微妙というとき、 1日午後受験で広尾学園を抑えることができれば、この併願のままで行くという選択肢もできます。
 もちろん広尾学園にもある程度の魅力を感じており、行ってもいいかな気持ちがあるのが前提ですが。 広尾学園を落とした時には後半の受験校を変えることも可能ですし、併願のパターンを多く持つことができます。

③勢いにのれる、悪い流れを断ち切れる可能性がある

 例えば1日午前校で不合格だったとしても、1日午後で合格を取っておけば
 受験の中盤後半戦により高い学校を狙っていける可能性が出てきます。現実一つの合格で勢いが出てきたり、悪い流れを断ち切れたりできます。
 2月受験は短期決戦でメンタルの影響が大きいので午後受験をうまく活用すると良い流れを作ることができます。

④受かった場合安心感がでる

 ③と似ていますが、2月1日~5日とくに1~3日は子供にとっても親にとっても怒涛というか特別というか極限状態になります。今までの人生ではなかったような特殊な状態です。
すべて精神的に落ち着いて淡々と受験する、という気持ちで臨みたいですが、なかなかできないものです。 1月校を抑えられていない場合、
2月1日2日で合格が取れないと精神的にかなり厳しいです。そこで安心感、お守りがわりに午後受験を考えます。行ってもいい学校が合格できれるのが理想的です。

⑤優遇措置が得られる可能性がある

 午後受験に限った話ではないでうが、複数回受験すると優遇措置として加点される学校があります。午後受験で優遇措置がある場合はそれを考慮し加点狙いで午後受験をするケースも考えられます。

⑥会場の雰囲気になれる

 午後を含めて複数回受けると学校の会場の雰囲気にも慣れた状態で受験することができます。1度受験した学校というのは実力も出しやすいものです。


<デメリット>

①体力的、精神的に疲れる

 午前の学校から、午後の学校への移動、2つの受験など体力的、精神的にもかなり厳しく、午後受験の最大の懸念事項です。移動経路に余裕があるところ、科目が少ないところなども考えたいところです。
悪影響は人によります。模擬試験でも午前と午後で別の会場で試験を受ける状況はあると思います。午後に集中力が持続するかなど体力的、精神的な適正を見ておいたり、試験と試験の間に手早く昼食をとるという午後受験を想定した行動をしておくとよいです。

②落ちた場合翌日に引きずる

 午前に適性またはチャレンジ校、午後に抑え校というパターンが多いと思いますが、両方不合格の場合は精神的なダメージはかなり大きいです。
 親としては落ちた場合はもちろんのこと受かった場合でも、その次、翌日の受験に影響を出さないように配慮する必要があります。

③合格した場合に気が緩む可能性

 ②でも書きましたが、不合格はダメージが大きいですが、合格して気が緩むのも困ります。第一志望、上位志望は午前受験の学校であることが多いので、緊張感を持続しつつ次の日以降の試験に臨む必要があります。

④対策に手が回らない

 問題にクセがある場合、対策をする必要が出てくるかもしれません。
現実問題として、午後受験は第3、第4志望であることが多いので対策をする時間はあまりとれません。
 
⑤移動が大変

 午前と午後の移動は精神的にも気を使います。午後受験がある人は優先的に会場から出してくれる午前受験の学校もあります。体力的なことを考えて車で移動しようとして渋滞で遅刻というケースも実際ある話です。

☆ウチの場合

 わが家の受験の場合は1月に通学可能な埼玉校に合格をいただいていたので、2月午後受験はしませんでした。埼玉千葉の学校が通学範囲内の場合は1月に抑えておくと2月は午前に集中できる場合も多いと思います。
ちなみにもし1月校が不合格だったら、2月午後は受ける予定でした。


最後に全体的なアドバイスや気を付けた方がいいことなどを


①2月1日午前、午後はどちらかを合格できる学校にする

  両方チャレンジ校はもってのほか。スタンスとしては1月校、2月校併せて通学可能な学校を2月2日夜までにおさえておくことが望ましい。

②1科目、2科目入試をうまく活用する

  午後入試は算数1科目や2科目となっている学校が多いです。科目を減らして午後受験をすることで体力的な負担を抑えるというのもよいと思います。
  算数好きにとっては、算数1科目入試は精神的に楽です。緊張感というより、頭のリフレッシュぐらいな感覚で受験してくる子供も結構います

  科目間の成績のバランス次第ですが、4科目のほうが点数・偏差値が安定する、安心してられるという場合は4科目のほうがいいでしょう。

③午前と午後の移動手段には気を付ける

 電車で移動が原則。公共の交通機関のアクシデントで遅れた場合は配慮してもらえることが多いので。
 昼食はおにぎりなど簡単に食べられるものを準備しておき、移動を最優先させる等、とにかく移動時間には気を付ける。
 午前と午後に別の模試を受けるなど、1日2回受験の耐性と経験値を積むとよい。

④対策が必要な学校は受験しない

 午後受験は対策が不要なところしか受けないなど割り切りも必要。対策なしで合格できる学校、問題にクセがない学校を選ぶこと。
例えば、普連土の午後入試は算数1教科で体力的な負担が少なく、問題も基礎問題中心です。合不合よりも基礎に寄っています。

⑤答え合わせや終わった受験のことを考えない

 これは午後受験に限った話ではないですが、午後受験を入れると2月1日2日で4校とか受験可能ですが、終わった受験のことは考えてもいいことはありません。

⑥午後は受けられるだけ受けるというスタンスは考え物

 たとえ下位希望の第4第5希望だったにしても落ちると凹むものです。
 対策できてたら通ってたのでは?という状況など不合格が後に引きずる可能性もあります。受かればもうけものという考えだったにしても、
凹むことが多いので注意してください。受かればもうけものというより、しっかり押さえようというスタンスで受験できる学校のほうが良いと思います。

⑦第1志望前日の午後受験はよく考えて

 2月2日が第一志望の学校受験の場合は2月1日の午後受験は控えたほうが良いかもしれません。
体力温存はもちろんのこと、前日の午後受験でアクシデントがあった場合、2月2日に影響がでるかもしれません。

⑧行く気がない学校、物理的に行けない学校を受けるときは注意を

 確かに合格は精神的に落ち着いたり、お守りにはなりますが、行く予定のない学校の合格ばかりは時間的、体力的に無駄です。
 必要以上の合格よりも、家で体力を温存したり、本命に向けてちょっとした勉強をやるほうが効果的かもしれません。


最後に

現段階だと、受験まで時間があるのでまだ受験に対する緊張感はないとおも増すが、受験校を選ぶときに午後受験校をどう組み込むかという点は考えておきたいところです。1月校があるから午後受験は不要というのもありです。

以下も、どうぞ。