中学受験の下書き/旧中学受験ラボ

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【深掘り】豊島岡女子の高校募集を停止する様々な背景

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昨日の記事、【高校募集停止】豊島岡女子が2022年より高校募集を停止、とその影響【中学受験に影響あり】

昨日の通り、豊島岡が都立中高一貫校、本郷に続いて高校募集の停止を発表いたしました。どのような背景があったのでしょうか?

今度、別学x高校入学を維持する開成は高校募集停止可能性について考えたいと思います。

①豊島岡の中学入学組と高校入学組の学習進度の差

(1)受験時における同世代内でのポテンシャル
中学入学組:御三家併願もいるが近年は第一希望者も多くポテンシャルは中学受験でもトップクラス。
高校入学組:国立、都立トップ・2番手、早慶付属の併願校の位置づけ。

(2)中学入学組の先取学習と高校入学組の数学の進み方
中学入学組:
高校入学時点→数学Ⅰ終了、
高校1年終了時→数ⅡB終了、
高校2年終了時→数Ⅲ終了

高校入学組:
高校2終了時→数学Ⅰ終了、数ⅡB、数Ⅲ終了。

中学入学組が3年かけて高校分野を終えるのに対して、
高校入学組は2年と短期詰込み型で、負荷がかなり高くなります。
 
中学入学組は、文系の数学範囲は高1で終わってしまうのですね。

また豊島岡は鉄緑会の指定校なので中学から入れます。これは東大を目指すには高校入学組よりは有利働くように思います。

学校側からは中学入学と高校入学それぞれの大学合格実績は発表されていませんが、人数が違うとはいえ東大を含む上位校の実績では中学入学組が圧倒しているようです。

また豊島岡の高校受験では推薦枠が半分あり、学力や応用力という面で推薦組は高校入学以降苦戦していたかもしれません。

ただ、高校入学組にかなり負担がかかることは事実ですが、高校入学のみの学校と比較すると、追いつけ追いこせ、という気持ちで、スピードを持って学習できることは大学受験では有利になります。これはメリットといえそうです。

また、数学では中学入学組と高校入学組で進度という面では差がつきますが、英語は高校受験科目ということもあり、高校入学組でもそこまで無理なくついてける場合が多いようです。

②高校入学組がいる一貫校のクラス編成の差

学習進度の差により、入学当初は、中学入学組と高校入学組を別のクラスに分ける必要があります。これは高校入学組がある一貫校でも学校ごとに異なります。

豊島岡は3年次より混合クラスになる仕組みのようです。これは少し遅いかなという気がします。

豊島岡の高校入学の定員は90名で2クラス分です。
2年次にはその90人を文系と理系に分けと考えると、クラブ活動や学校イベント以外では高校入学組と中学入学組との交流はそこまで多くないかもしれません。

他の高校入学がある一貫校ではどうでしょうか?

豊島岡:入学時点で別のクラス、3年次より混合クラス

開成、本郷(2021年高校募集停止)→入学時点で別のクラス、2年次より混合クラス
渋幕→入学時点で別のクラス、2年次より混合クラス、ただし数学のみ2年次は別のクラス。
栄東→入学時点から卒業まで別のクラス!
早慶付属→入学時点から卒業まで混合クラス
筑駒→入学時点から卒業まで混合クラス!

やはり豊島岡は少し混合クラスになるのが遅いかなという印象。先取の差が出るのが数学なのでその影響もありそうです。

当たり前ですが、高校入学時のポテンシャルが高く、中学入学組との先取学習の差がないほど早く合流できます。2年次からが文系、理系にも分かれるタイミングですので理想的かも。

一方、早慶をはじめとする付属中学、付属高校は基本大学受験を意識しないので、先取学習も限定的のため、高校入学時点から中学入学、高校入学混合クラスとなっています。筑駒、栄東はちょっと特別かな。

入学時点から混合クラスになると当然馴染みやすく、学校内での格差というか違和感はかなり緩和されるようです。

③高校入学が避けられる背景

一貫校の高入の受験の倍率は全体的に低下傾向にあり、避けられる傾向があります。
 
・学校行事、イベントが楽しめない、入学時点で友達がいない。
 これ以外にも共学人気だったり。経済的に公立というケースもあります。

豊島岡に限った話ではないですが、高校生活では、運動会、文化祭など学校イベントも楽しみたいところ。イベントはその学校に長くいる中学入学組が仕切る傾向が若干あるため、高校入学組は肩身が狭い思いをするかもしれません。

また中学入学組が本流という感じがどこかあるので、高校入学組は後から入るというイメージを持ってしまう場合もあります。

ただそれによりいじめがあるわけでもなく、イベントや交友関係はその人によるところが多いので、年次が進むに違和感はなくなってきますし、交友関係もどんどん広がっていきます。

またウィキペディアによると、開成には、水泳学校という「ふんどしでが泳ぐ伝統的な水泳合宿がありますが中学でしか行われないようです。
中高一貫では6年行って価値があると言われることもあるようです。

④小学入学と中学入学では問題起きないの?

豊島岡は小学校はありせんが、一貫校では小学入学組と中学入学組がいる場合があります。この場合は、中学入学時点から混合クラスになります。

中学入学者は難易度の高い受験を突破しているので成績はよく、
平均を取ると小学入学者よりも若干上回る感じのようです。
小学入学者でも優秀な人は多く、小学入学者は成績上位と下位に分かれる傾向があります。違和感は最初だけですぐになじむようです。

⑤最後に

高校入学にはメリットもありますが、学校側、受験生側ともに問題が顕在化しています。大学入試状制度の変化や、共学人気などもあるため、特に男女別学の高校入学は限られたものになってきており、
今後も高校募集停止、完全中高一貫化が主流だと思われます。

【ご参考】近年高校募集を停止した学校
 
・1997年~2009年までに高校募集を停止した学校(抜粋)
浅野、サレジオ学院、大妻多摩、学習院女子、立教女学院、獨協、武蔵、暁星、光塩女子学院渋谷教育学園渋谷逗子開成東洋英和女学院品川女子学院浦和明の星女子、共立女子、東横学園大倉山、聖学院、吉祥女子、穎明館、大妻中野、青山学院横浜英和、横浜女学院
 
・2010年以降に高校募集を停止した学校(抜粋)
2010年 東京都市大付属
2011年 海城、神奈川学園、洗足学園、東京純心女子、富士見
2012年 攻玉社、麹町学園女子、東京女学館
2013年 かえつ有明
2014年 京北学園白山、高輪2017年 東邦大付属東邦
2018年 開智日本橋学園、三田国際学園
2019年 成城学園

==2020年以降に高校募集を停止する予定の学校(抜粋)  
2021年 本郷学園、都立富士、都立武蔵、都立両国、
2022年 都立大泉、都立白鷗、豊島岡女
 
<以下、中高一貫校の高校募集停止関連記事>

・豊島岡が高校募集を廃止『女子が都立トップと併願する進学校がない問題』
概要:『豊島岡女子の高校募集廃止と教育格差』という新聞記事の内容と考察。
豊島岡は中入組と高入組が交わらない傾向がある→高入生はギャルっぽい、中入生は非モテで人種も違う

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・日経電子版『中高一貫校、高校の募集停止相次ぐ 豊島岡や本郷など』を見て
概要:高校募集に対する各学校、おおたとしまさ氏のコメント
本郷「第1希望の生徒に来てもらいたいというのが一番の理由」
豊島岡「高校から私学を考える人がぐっと減った」

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・渋幕が制服リニューアルし高校募集停止か、完全中高一貫校への布石

概要:渋幕の制服リニューアル問題改め高校募集停止危機問題を学校のHP内容からどこよりも詳細に掘り下げ。現在の渋幕の状況と高校募集を停止する必要性があるかの考察 

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・【最後の砦】開成が高校募集を停止する可能性は?
概要:高入進学校がなくなるなか、難関校で唯一高入を続ける開成校長のコメント。
開成高入に影響がある日比谷との比較。高入を続けられている理由とは?

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・豊島岡女子が2022年より高校募集を停止、とその影響【中学受験に影響あり】
概要:高校募集停止に踏み切った基本的な理由、中学受験に対する影響など。
高入生の実績が振るわなかった理由、都立トップ高の併願校化の影響

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・本郷、都立一貫が高校募集の停止。完全一貫化が加速。
概要:本郷、都立一貫が高校募集を停止することを発表。完全一貫化が加速。
高校募集にはメリットもあったが、募集停止に踏み切った理由。
1997年以降、高校募集停止を行った学校一覧。こんなにあった。

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以上