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【中学受験2022】算数1教科入試を徹底解説!導入する学校と受験生事情。問題傾向は?

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 巣鴨中、世田谷学園、鎌倉学園中など、いわゆる伝統校、名門校で導入されたのをきっかけに、算数1科目受験を新設する中学校が年々増えており、軒並み高倍率となっています。今回のテーマは「算数1教科入試」。人気の理由、受験生・学校側からみた事情や入学後どうなるか?や入試問題傾向について説明いたします。

算数1教科入試を徹底解説!

学校側が算数1教科入試を導入する事情

論理的思考力がある人が欲しい

もともと中学受験は算数で決まると言われており最重要科目ですが、論理的思考力の必要性はますます高まっています。大学入試を考えた場合でも早稲田大学政経学部の入試科目に数学が来年度より必須となる等、経済学部などの文科系学部にも数学の必要性が高まっており、学校側は算数、数学ができる人を欲しがっているという事情があります。

平均的な人だけでなく、何かに特化した人も欲しい、生徒の多様化を期待。

帰国子女の生徒がいると、周りの子も英語や国際性を身に着けやすくなるのと同じ理由で、算数、数学が得意な生徒がいるとよい刺激を与えることが期待できます。
また数学オリンピックなどの外部大会に出場することも期待できます。

通常科目入試で過半数をとり、一部を算数1教科入試にすることでバランスもよくなります。

 

志望者が増える、注目される

学校としてはまず知ってもらわなければ始まらないという面もあり、知名度を上げる、受験生を増やすための1つの方法であるともいえます。

 算数1科目入試を導入することで志望者が増える可能性が高く、今までターゲットに入れていなかった層にもアプローチできます。

もっと端的にいうと算数1教科入試を行うことにより学校の知名度と偏差値が上がるということも期待できます。

受験生が算数1教科入試を歓迎する事情

受験生側からすると算数1教科入試は概ね歓迎されており、以下のような感想があります。

・『4科目は大変だけど1科目だけなら』
・『算数得意だし、そこそこいけるかも』
・『2月1日午後受験は体力的な負担があるけど1科目だったら負担も少ないな』

1教科入試で入学した生徒は大丈夫?

攻玉社は20年以上前から算数1教科入試を行っていますが、算数1教科入試で入ってくる生徒は、入学後2極化する傾向がみられるそうですが、かなりの割合の生徒が大学入試でも好結果を出しているとコメントしています。

 もちろん入学後は全科目頑張る必要がありますが、1教科入試で合格したから大丈夫かな?ということは必要以上に心配することはありません。

なお攻玉社は国語1科目も行っていましたが、2018年より廃止になってします。国語の1科目入試で入学した生徒の大学入試が算数1教科ほど良くはなかったようです。入試の種類を増やすと学校側も負担になりますので、見合った成果が上がらないと取りやめになるということです。

なお、攻玉社だけではないと思いますが、入学試験の算数の成績と大学合格実績、つまり入口と出口の統計的データから算数1科目入試が有効だと判断しています。 

 

どのような試験問題がでるか?

 学校側がサンプルや過去問を出しているところも多いですが、通常の問題よりも思考力を要求する問題が多く、途中式や考え方を書かせることも多いようです。
一部、統計的なデータの読み取り等通常の入試ではあまり重要視されていない分野を出す学校や理科との融合問題を出す学校もあります。

 全体として考えた場合、4科目入試の1科目としての算数よりも、個性的な問題を出すところが多いのである程度の過去問対策は必須となります。

 逆の意味で目立っているところが普連土学園。計算問題と1行問題を50問を50分で解くというもの、短時間に手早く処理する能力を要求しているところが面白いです。

 ちなみに普連土学園は2月1日午後に受験日を設定し16時半とい遅い時間でも受験できるようにしているのは、同日午前は御三家の受験日で面接試験もあるため、その後でも受験可能にしているのだと思います。御三家を受験する生徒なら負担が少なくや基礎問題中心で対策がいらないというメリットがあります。

算数1教科入試ありかなしか?

基本的には検討の余地ありと考えてよいと思います。人による部分もありますが。

・午後受験と相性がいい
 多くの学校が午後受験で算数1科目入試を導入しています、体力的な負担を軽減できます。
 
・当然、算数ができる、好きというのが基本
 ゲーム以上に算数が好き、という人も一定数います。
 算数だけなら上のクラスの人にも負けない、っていう人も。
→本来の志望校とは違っていたとしても午後入試などであれば検討してよいと思います。
→算数好きの意欲は半端ないので、塾なしで合格してしまう層も出てきそうです。
 
中学受験を決めたタイミングが遅かった人
 突然転勤で関東に引っ越すことになった、習い事を直前までやる等、受験までの時間が少ない人。
→1科目入試や2科目入試に絞って、ダメなら公立という手もあります。
 
ただ基本は4教科入試です。算数だけで中学受験に参戦してくるいるでしょうが数は限られてくると思います。
4科目入試との難易度の差算数1教科で受験できるのは算数が得意な人には朗報ですが、それだけ難易度もあがります。例えば巣鴨では2月1日午前の4科目入試が四谷大塚 偏差値で55、2月1日午後の算数1教科入試が偏差値63と8の差があります。 算数で偏差値63取れる子なら、残りの3科目がよっぽど苦手ではない限り4科目で偏差値55は割らないかなとは思いますので、難易度、合格のしやすさという面では算数1教科入試はお得ということはないと思います。やっぱり厳しいですね。 ただ難易度的なお得はなくても、2月1日午後に負担が少なく受験できるなどのメリットがあります。 

算数1科目入試を行う学校

2022年の募集要項がまだ出ていない学校もありますので最新の情報を入手するようにしてください。

2021年に算数1教科入試を行った学校

算数1教科入試は午後入試で行う学校が多い傾向があります。

[1月入試]
栄東
西武学園文理
千葉明徳

[2月1日午前入試]
貞静学園
藤村女子

[2月1日午後入試]
開智日本橋
東京女子学園
普連土学園
山脇学園
中村
品川女子学院
目黒日本大学
都市大学等々力
三田国際学園
世田谷学園
田園調布学園
巣鴨
帝京八王子
明星
啓明学園
鎌倉学園
湘南白百合
東京電機大附属

[2月2日午前]
貞静学園
帝京

[2月2日午後]
高輪
東京女子学園
大妻中野
文化学園杉並
富士見
帝京八王子
明星
武蔵野大学
桐蔭中等教育

[2月3日午前]
貞静学園

[2月3日午後]
桜美林
十文字

[2月4日以降]
貞静学園
上野学園
都市大学等々力
中村
攻玉社

 

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