新6年の方、受験に集中しにくい状況が続いています。
来週は合不合判定テスト、サピックスオープンがある(予定となっています)ので受験に集中できるような家の雰囲気を作ることが大切です。塾もそのような緊張感を持って授業をしていると思います。
ダ・ヴィンチニュースに二月の勝者を切り口とした受験塾の記事が出ていたので深掘りします。
「二月の勝者」は中学受験にスポットを当てたマンガでご存じの方も多いとは思います。通常、受験の話、塾の話というのは生徒目線で語られることが多いですが、本作は塾の講師側、運営者側の立場から描かれ、中学受験の隠された闇に当たる部分(拝金主義等)にも光を当てている。
主人公の桜花ゼミナール校舎長の黒木は塾は営利目的という超現実派。入塾生を「新規顧客」、お金を落とす親はスポンサーだと言い切る。名門塾のトップ講師だった黒木は生徒自身が抱える問題、家族の問題に辣腕を振るい全員合格を目指す。
7月より柳楽優弥さん主演でドラマ化が決定
以下、記事は受験塾の実態として4つ挙げています。
受験塾の実態その1 裏用語「お客さん」
塾講師は、下位クラスの生徒には一生懸命になるなという、塾業界の裏用語「お客さん」。これが意味するのは「とりあえず通って、授業料だけ落としてくれればいい」という生徒のこと。
上位校合格の見込みのない生徒には、夢を見させ続け、生かさず殺さず、お金をコンスタントに入れる「お客さん」として、Rクラスには「楽しくお勉強」させてください。
[コメント]
これは割とその傾向が見られます。
中学受験塾の場合、例えば上位クラス、中位クラス、下位クラス
の3つのクラスがある場合、親の熱意、子供のやる気、授業の出席率、上のクラスほどあります。下位クラスだと授業・講師の質もそれなり(経験が少ない新人が割り当てられることが多い)で授業料を払ってくれればいいという「お客さん」扱い。
ただ、これはサービス業ではよくあることです。
「全く行かないスポーツクラブに、月の会費を払い続けている」とか同じケースです。再ビス業ではこの「お客さん」に当たる幽霊会員が経営基盤を支えている傾向があります。
お客さんにならず、塾を使いこなすには親も勉強する必要があります、まず子供の塾での学習状態を細かく確認してみましょう。
受験塾の実態その2 転塾
トップクラスの生徒、前田花恋が名門塾フェニックスに転塾しようとしたときも、あえて黒木は動かずフェニックスでの花恋の躓くタイミングを見計らって、自己肯定会を高める言葉で花恋を引き戻すことに成功する。
[コメント]
この花恋の転塾騒動は、黒木が作戦が見事にハマりました、無理やり引き留めるのは逆効果との判断だったのでしょう。
受験塾の実態その3 数々のオプション
塾には、通常授業の他に、春期講習、夏期講習、冬期講習、GW講習、日曜特訓、勉強合宿、志望校別特訓、弱点克服特訓など年間を通じて何かしらのオプション講習があり、総額で年間130万円あまりかかるそう。(作中の一例)
[コメント]
4万とかあるなんとかなりそうな月料金が設定されててもそれは標準授業のみ、いろいろなオプション講習で雪だるま式に費用が増え、結局、年間130万とかかかってしまいます。塾ごとにも多少かわってきますが、大手なら90-140万はかかるでしょう。
親からすると、オプション講習を取らなければ志望校には受からないのではと思う傾向があり、内容をよく吟味せずに塾側から言われるままに多数のオプションをとってしまいます。塾側に〇〇講習には~な効果が期待できます、みたいなセールストークに騙されてしまいます。悪い言い方すると塾は子を思う親心に付け込んで講習を取らせようとし、効果が少ないものでも経営の面から勧めてくるケースもよくあります。
受験塾の実態その4 系列校への勧誘
ある日黒木は、Rクラスの子供たちに渡すため、「よくがんばったで賞」と書いた表彰状をつくります。黒木にも優しいところがあったのだと感動する麻衣でしたが、実はその表彰状は、「個別指導塾ノビール」への勧誘券だったのです。
[コメント]
集団塾内は個別の指導は望めないので、苦手科目など個別塾や家庭教師にと考える場合があります。集団塾の先生に相談すると、系列の個別塾を紹介されます。囲い込みですね。ちなみに個別塾を考える場合は系列塾を優先に考えるべきではありません。
集団塾で伸び悩んだとき個別を検討することがある。使い方によってはとても効果があるが、よろしくないのが、集団塾と同じ系列の個別塾に行くこと。早稲アカ→早稲アカ個別進学館だ、講師のいう【連携した指導】なんてのはほぼ行われない、効果が上がらないことが多い。
— 中学受験の下書き (@jukenshitagaki) 2019年9月30日