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合不合判定模試・サピックス合判が予定されています。これらの総合模試は9月~12月まで4か月連続で行われ、受験の天王山的に語られることが多い模試です。今回は合不合・サピックス合判などの秋の総合模試がテーマです。
偏差値は9月~12月、4回の平均
四谷でも早稲アカでもサピックスでもそうですが、総合模試は9月~12月、この4回の模試の平均偏差値を見るという見方が割と一般的です。
①夏前と夏後では偏差値が変わる受験生が多いので夏後の偏差値を重視する。
②1回・2回だとたまたま良かった、たまたま悪かったというケースがあるため受験生の実力をより正確に測るには4回分を見て平均する。
③サピックスの合判は9月~12月の全4回で頻出範囲をすべて網羅するように作られている。四谷は1年、全6回で網羅する。
まず偏差値はブレる
上の②「たまたま良かったたまたま悪かった」というのはよくあることで4回の模試で最高偏差値と最低偏差値で6ぐらいの差になることが多いと言われています。平均値から上に3、下に3ぐらいブレる感じですね。合格可能性でいえば、良いときは80%だが、悪いときは20~30%になってしまうというイメージです。波のある受験生の場合は上下もっと極端に差が出て偏差値が最高と最低で偏差値が10違うことも珍しくありません。
成績が安定せず上下にブレる人の特徴
①ケアレスミス、思い込みが多い→ミスが多いと手応えと点数が一致せず、点数が安定しない傾向があります。
②苦手な単元がある→出る単元で点数が変わってくる
③集中力にムラがある、科目の失敗を次の科目に引きずる→気持ちの切り替えが苦手
③良くも悪くも自分流の勉強をしている→こだわりが強く、ツボにハマると高得点タイプ。
模試戦略はいきなり実戦投入は難しい
たとえば国語の長文を速く読める方法とか、ケアレスミスが起きにくい計算の処理の仕方とかそういうコツをいきなり実戦投入すると失敗します。そもそも、テストの始まる直前やろうと思っていても、「始め」の号令とともに頭から飛んでしまい、結局いつもの解き方でやってしまうとか、もう「あるある」です。新しいやり方とかは日ごろから取り入れて十分身についた上で実践投入するようにしましょう。
力を出し切ることに全力を!
実力以上のものは出ません。まず実力を出し切ることに集中しましょう。
力を出し切るというのは想像以上に難しいものです。特に時間の配分などはある程度始まる前に決めておくことが望ましいです。
前日なら細かい知識の反復練習を
前日だったら理社の知識を固めるとかとか算数の復習とかが良いです。いつも間違っているところを見直すとか。頭に入っているつもりでも試験のときに引っ張り出せないケースが多いので演習形式、つまりアウトプットできるかを確認することが大切です。
たとえば理社で過去の模試で正答率が高く自分が誤答した問題を集めて1問1答集みたいなのを作るとします。100~200題ぐらい作っておけばだいたい1~3問分ぐらいは出るものです。
合不合・サピックス合判科目ごとのアドバイス
前日とか時間がないなら、ちょっと意識できればいいかなぐらいのアドバイスを書いておきます。気休め程度で見てもらえれば良いです。
国語
「最初に解答用紙を見る!」まず最初に解答用紙を見て記述問題の数と文字数をざっと把握する。時間が足りなくなることが多い科目なので、時間配分を決めておくと良い。最初の5分で漢字と知識問題を片付けて、論説文21分、物語21分とか。時間が足りなくなる人は焦って読みたくなるが、1回の読みで頭に入れるようにすべき。日頃から時間配分を意識した演習をするのが良い。
算数
目標点数にもよるが、後半は捨て問を作ることも大事。一見して難しいなと思っても図なり表なり作って問題をかみ砕くと枝問は拾えたりする。ケアレスミスをよくする人は過去のどのようなケアレスミスをしたか事前に確認してみること。8~9割以上を狙う人は迷いなく解ける問題を手早く片付けて難易度高めの問題に時間を残しておくこと。
これも計算の省力化や速く解ける解法は日ごろから意識しておくこと、いきなり本番適用は難しい。
理科
時間が足りなくなるケースは、計算問題が面倒なケースと単に設問数が多いときの2択。知識8割、計算5割、全体7割とかの自分の得点イメージを持つこと。
知識系のいつでも出ている問題(ベタな問題→ベタ問)は確実に押さえられるように、
自信がなければ直前に復習しておくと。また模試で大量失点した分野がある場合は復習・補強を行っておくこと。
社会
今まで出来なかった問題や苦手分野を事前に復習しておくと良い。試験直前で何をやっていいかわからない問題はよく出るベタな問題をやっておくと良い。農産物の都道府県別順位とか工業地帯の売上比率とか。
親にとっても模試
気にしないなら気にしなくていいし、そこまで考える必要はないかもしれないですが、私は模試は「親にとっても模試」と考えています。
・試験会場まで付き添って別れ際に何と声をかけますか?
子供がヘンに緊張しない言葉、実力が発揮できる言葉を自然にかけることができますか?
・模試の前日、当日、食事は何にしますか?
・もし試験ができずに落ち込んでいる子供にどう声をかけますか?
・模試の結果が良かった・悪かったときにどう声をかけますか?
9月はまだ余裕がありますが、11月とか12月とか、なんと声をかけていいのかわからない、という場面は結構あります。またその先の本番は親の声掛けが及ぼす影響は大きなものです。