5月4日、全ての都道府県について5月31日までの緊急事態措置の延長が発表されました。日々の感染者数も一部減ってきているようにも見えますが、学校・塾ともに通常運転まではまだ時間がかかりそうだと感じていると思います。
中学受験大手塾は動画配信や双方向Web授業などオンラインへとすでに舵を切ってている状況です。各塾とも双方向授業の標準ツールとなったZOOMを使ってはいまずが、各塾により対応状況は大きく異なっているという印象です。塾側への対応の遅れを指摘する声も大きくなっています。
<2020/05/06 15:00更新>全体的なアップデート、栄光ゼミナールを追加
ZOOMを使った授業名から見る実情
— 中学受験の下書き (@jukenshitagaki) 2020年5月4日
早稲アカ「双方向web授業」→双方向で頑張ります
日能研「ZOOMを利用した対面授業」→300人なので事実上双方向ではないです、対面とはいえます
サピックス「オンライン授業」→こちらも60~80人で事実上双方向ではないですが、オンライン授業、補講ではあります
いいね、いただきました。ZOOMといっても本当に差があります。
・サピックス
5/7よりZOOM補講を実施する。各自、配信動画でテキストをやった上でZOOM補講を受ける。ブロックごと60~80人授業の模様。算数なし。ZOOMは通常授業の置き換えではなく現時点では補助的な役割。あくまで動画+自宅テキスト学習がメイン。
ZOOM補講は国語1.5時間、理社が各1時間。通常ならば週8時間の授業が週3.5時間へ。動画・テキストで勉強し終わってZOOM補講をうけるので、それなら学習時間ばかり増えて、ZOOM補講は受ける必要がないとのコメントも見受けられる。どのような授業をするかによって評価は変わりそう。
また、ZOOM授業複数クラス(α1~ベット上位)が1クラスになるので通常授業よりも教室内のレベル差が大きくなると思われる(算数をやらない理由の一つでは?)。算数なしは、いろいろ理由はあろうが残念に思う保護者・生徒は多いと思う。一方算数はZOOM授業に合わない面もある。どうとるかが微妙。
・早稲田アカデミー
通常授業を全てZOOMを利用した「双方向web授業」に置き換え済。動画配信も継続。NNや特別講座もZOOMに置き換え。4月の導入時は、講義をする先生と補助する先生の二人一組で授業を行っていた、5月からは不明。対面授業のクラスと同じ先生、生徒での授業で概ね好評。
授業全置き換えになると終日、NNなど週末講座は朝から晩までZOOM授業になります。ZOOM対応しすぎ?によるZOOM疲労に注意!画面は大きめのものを。
早稲田アカデミーのオンライン授業 | お知らせ | 進学塾・学習塾なら早稲田アカデミー
【NHKニュースWeb】「全授業オンライン実施の学習塾も」の記事を深掘り【早稲アカ】 - 中学受験の下書き
また、5月より動画授業が、四谷大塚の予習ナビになるようです。実績があるので良い変更。早稲アカ生であればYT講座を取ってなくても使える。これは大きい。
5 月より「オンデマンド授業映像」は「四谷大塚予習ナビ」となります。「双方向 Web 授業」を受講の上、
疑問点などございましたら、「四谷大塚予習ナビ」をご活用下さい。
https://www.waseda-ac.co.jp/info/2020/detail/assets/pdf/covid-19_notice15.pdf
解答用紙アップロードアプリ「早稲田アカデミーEAST」を提供開始
自宅でのテストの受験・提出・添削・結果のフィードバックを用意にするアプリケーションをリリース。最初は中学生に導入。小学生へも波及しそう。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000051025.html
・四谷大塚
習ナビ、復習ナビの動画配信。4末よりZOOMによる学年ごとのホームルームを実施中。今のところ通常授業への置き換えは未定。
これはお茶の水校ですが、校舎ごとに案内が出ています。
https://www.yotsuyaotsuka.com/sp/school_map/result.php?id=8959
四谷大塚では「Zoom」というWeb会議システムを使って、ホームルームを実施することになりました。
詳しくは保護者の方々にお知らせしますので、楽しみにしていてください!
Web情報ですがホームルームは25分程度。内容は学習ポイント、課題、諸連絡のようです。いろいろ調べてみましたが、四谷大塚のZOOMの情報がとても少なく、自分が思うより遅れているのではないかと考えています。
・四谷大塚は通信制の「進学クラブ」があり、その中で予習シリーズを映像化した予習ナビや週テストで復習できる復習ナビを使うことができます。今のままでは、通常のコースと進学クラブの差がほとんどないのに料金は数倍となんとも違和感のある状況になってしまいます。
・校舎ごとにWeb学習「高速基礎マスター」(語彙力や計算力を養うコンテンツ)の努力点を競う大会を行っています。ZOOM授業では後れをとっているようですが、一定のアオリ効果はありそうです。https://www.yotsuyaotsuka.com/school_map/result.php?id=9119
・小4のZOOMホームルームを開始。
また、一般の小学生・中学生向けに「全国統一オンライン講座」を無料配信中。
・日能研
動画配信にプラスして、ZOOMによる質問教室を実施中。レベル別されておらず大人数。5/8より通常授業をZOOMに置き換え実施予定。
【首都圏】の教室にお通いの方| インフォメーション | 中学受験-小学生のための中学受験塾。日能研
5月8日~21日までの教室においての対面での授業・テスト・イベントは、すべて実施しません。
なお、5月8日よりZOOMによる対面授業を開始いたします。今後は、今まで以上に、ZOOMでの取り組みを充実させていきます。ZOOMでの授業参加についての詳細は、日能研生にはMY NICHINOKENにてご案内いたします。
GW後、社会情勢を踏まえ、教室においての対面授業が実施可能な状況となりましたら、すぐにでもその時点で授業も再開いたします。なお、いままで通り、テストにつきましては、すべて自宅受験にて行います。
こちらのブログにある通り、どうやらZOOMは300人ということで双方向とはいえない、と言われています。かなりの数の校舎を一緒にしてレベル分けを行うようです。動画とあまり変わらないかもしれません。学習リズムの維持が目的か。良い点としては、通常授業と同じ範囲を同じ時間で行います。サピックスのような補講扱いではありません。4月に行われていた質問教室は継続する模様。日能研は地域によっても違うので注意が必要です。
【日能研】Zoom授業が改悪…。保護者会もZoom! - 貧乏だけど中学受験〜するのか2023〜
・栄光ゼミナール
GW明けからオンライン授業を予定。ぼやかしている記述が気になります。また施設利用料や授業料の一部の返金なども計画されているようです。「双方向指導を含むオンライン等による授業」という言葉をどう解釈するか。双方向をうたっていますので、日能研やサピックスのように大人数ではないということでしょうか。
5月11日(月)以降は現在休止している指導サービスについても、双方向型指導を含むオンライン等による授業を再開する予定です。 今後、情勢の変化に応じて対応に変更が生じましたら改めてお知らせいたします。
https://www.eikoh-seminar.com/information/news/2020/007758.html
・全体的なまとめ
早稲アカが(通常クラスの先生とメンバという)双方向完全対応しており一歩リードか、日能研は5/8より通常授業の双方向対応が始まりますが300人ということで、期待外れに思う人も。通常授業からの置き換えには厳しい。サピックスは時間を半分程度にした補講という位置づけ、動画でやったらZOOM補講はいらないというコメントもあり。四谷大塚はホームルームのみで、通常授業の対応時期が未定というのが気になります。栄光ゼミナールも5月にはオンライン授業の整備という段階。
まずはオンライン授業の導入、それが終わると、次は授業の質というところが注目されていくと思います。ZOOMでのオンライン授業は結構手軽にできますが、質を対面授業に近づけるのはなかなか難しいものです。今後、各塾がZOOM授業のノウハウをいかに蓄積して、高品質な授業を行えるようにするかがカギだと思われます。
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・ZOOMオンライン授業についてのリンク
『学習塾へのオンライン授業に関するアンケート結果』を深掘り - 中学受験の下書き
ついにサピックス双方向オンライン授業を5月に導入、その注意点について