過去問の進め方は受験の結果を大きく左右します。
しかし、個人的な印象かもしれませんが、過去問の進め方について漫然とやってしまうケースが多いように思います。第一志望〇年分、第二志望〇年分といったざっくりした分量と、過去問演習スケジュールにそってやっていく感じ。
今回は前受校や志望順位の低い学校の過去問対策という話。志望校順位が低いといっても第二志望以下で書いております。
今回の記事は
・前受・第二志望以下の志望順位が低い受験校の過去問はどれだけやるか?
・過去問をやる分量は、志望順位だけで決めるべき?
・漠然と過去問を解いて復習しているがこれでいいのか?
といった悩みを持った人に参考になるかと思います。
過去問はみんな言うことが違う
過去問の記事でいつも書いているのですが、過去問はについてはみんな言うことが違います。受験生の学力は性格によっても違うし、同じ状況でも、塾や塾の先生によっても言うことが違ったりします。自分に合ったものを選んでいくことが大事かと思います。
今回の内容も、正解というより方法の一つぐらいに考えておくといいと思います。
過去問の取り組み方、人によって言うことが全く違う問題 - 中学受験の下書き
1月校・前受校、行く予定がない学校
想定している学校
合格可能性80%。偏差値で6以上余裕がある学校。前受校で経験値を積むために受験。合格しても行く予定がない学校
過去問の対策法
前受校の過去問をやる上で注意することは、ズバリ、過去問やりすぎ注意です。
最初の受験になることが多く、どうしても過去問をやりすぎる傾向があります。
しかし、基本、行く予定がない学校の対策に時間をかけるべきではありません。
受験対策や過去問もできるだけやらずに済む学校を選ぶべきです。
ただし赤本なり過去問題集自体は購入しましょう。
【中学受験過去問】声の教育社 と 東京学参 を徹底比較してみた【おすすめ】 - 中学受験の下書き
問題傾向が書いてあるページを読んでおくことが大事です。
過去問演習は1年分でOKです。そしてできるだけ試験日に近い日にやる。
直前でやるのは、時間が空くと問題に対する慣れがなくなってきたり不安に思ったりするためです。解きなおしも軽めに。
1月の埼玉校のお試しなら冬休み、1月に入ってからでかまいません。
学校別の対策を積み上げるのではなく、自分の持っている総合力を上げて合格最低点を確実に超えることを確認するイメージで。
もし合格点最低点が取れなかったらもう1年分やること。
2年連続で合格最低点を超えない場合は何かおかしなことがあると考えるべきです。塾の先生に相談を。
1月校の対策はこの栄東の記事も参考にしてください→
【中学受験2022】日本一の受験者数『栄東中学校』詳しすぎる入試解説と対策 - 中学受験の下書き
第4志望校・第5志望校
想定している学校
合格可能性70%~80%。上位希望校が全て不合格なら通学予定。偏差値としては80%偏差値を切ることはあまりない、合格予定校。
過去問の対策法
・3年分が基本。まずは合格最低点を取る。次に合格者平均点に到達か、合格最低点を2回連続で超えるのを目安に。合格平均点まで行くようなら上位志望の対策に力を入れる。
・合格者平均点を取るのも大事だが、合格最低点を割らないことがより大事。
注意すべき状況と対策
→失敗する場合のほとんどは算数(または国語)の失敗。
・算数で受験者平均点前後、あるいはそれ以下なら要対策。
・算数の思考力問題が多く、点数が取れていない場合
→思考系問題が多いなら、初見の思考系問題を演習に追加。
→他の年度の過去問も算数だけ解いてみる。
→年度にこだわらず苦手分野だけを抜き出してやってみる。
・国語の知識問題の出題が多い。→手持ちのテキストから知識問題演習を追加。
・国語の記述問題が多い。→空欄になってしまうようならまず埋めるのを目標に。書けるがピンとがずれてしまう場合は塾の先生に相談。
・4科目の得点と受験者平均、合格者平均を見比べて得点が足りないようならその科目に特化して対策すること。
理科・社会で記述問題が多く、得点が取れていないようなら注意→秋以降のテキストを見直すこと。(記述の対策をしているはずです)
・持ち偏差値の割りに過去問の点数が取れていない場合は形式に慣れていないか、初見の難しめの問題への演習が不足していることが多い。
理科・社会で独特の問題がないかを確認すること。長いリード文だったり、問題の切り口がちょっと違ったり。ある程度慣れで対応できるぞ。
・最後は合格最低点を超えて演習打ち止めという流れが理想。
過去問の取り組み方。いつから始める?何年分やる?【2021年入試】 - 中学受験の下書き
第4志望・第5志望の注意→持ち偏差値が学校偏差値を超えているからとナメないこと。油断しない。
第2希望・第3希望
想定している学校
合格可能性40%~60%。第2,第3のどちらかを取れれば受験としては後悔はない。
過去問の対策法
過去問の対策法
使える時間によるが、3~5年分が基本。
やることは第4,5志望と基本的に対策は同じだが、より多く対策するようになっています。全体的にこちらの学習量を多めに。
まず、過去の合格最低点から、科目ごとの取るべき点数一覧を作って実際の点数との差を見ること。→これ大事。
合格最低点に到達していないなら、次の過去問に入る前に算数と得点率が低い科目の強化。最低点を超えないからといってむやみやたらに過去問を消費しないこと。
次の記事を参照のこと。
中学受験の過去問演習で合格最低点に届かない時にやるべきこと【いつ届く?】 - 中学受験の下書き
→残っている過去問から強化科目だけを抜き出してやる。苦手分野だけ集中的にやるなど取捨選択すること。
4科目のうちで受験者平均いかない科目があれば要注意。あと独特の出題を含む科目がないか確認しておくこと。
・算数の思考力問題が多く、点数が取れていない場合
→思考系問題が多いなら、初見の思考系問題を演習に追加。
・算数は思考力問題ではなく、典型題が多く点数が取れてない場合
→合不合などの模試や6年に入ってやった演習問題の復習が効果的。
・算数は捨て問の見極めに問題がないかを確認する。
→【中学受験】算数の捨て問はどうする?見極めは? - 中学受験の下書き
まずは合格最低点が目標、取れるのであれば連続して合格最低点を超えるように。
・糸口がつかめないときには、失点の仕方、時間配分、過去問本にある、頻出分野を見直すこと。
・算数で初見の問題を継続して解くことを忘れずに(復習だけにならない)
・理社で記述問題がある場合は対策すること。
・合わせて塾の先生にも相談してみる。
→もちろんアドバイスをもらうのが目的だが、相談というのは現状を把握していないと相談できない、相談しようとすることで何が足りないのか自覚できることも多いのです。
今回はここまでです。
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