国立大学の7割が二次試験の内容で発展的な内容を出題しない等の特別な対応をすることが朝日新聞の記事になっており話題になっています。
二次試験の出題範囲等を縮小する大学、変更しない大学
国立大の7割が2次試験で配慮 出題範囲を縮小、中止も:朝日新聞デジタル
一方、東大は「東大の入試問題は細かい知識ではなく総合的な力をみるために、多岐にわたる知識を総合的に判断する問題なので、現在の状況でも受験生は対応できる」と説説明しており、東大や京大は首都圏の有名私大などは特に問題の変更しない方針の模様。
コロナ禍の大学入試、分かれる対応 必要な「配慮」とは [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル
今回は大学ごとでもコロナ影響への対応が異なっているが、中学入試への影響を考えるという内容です。
横浜国大は二次学力検査を中止
横浜国立大学では、「今の状況では受験生が安心して入試に臨む場を提供するのは難しい」などとして二次学力検査を取りやめ、共通テストと自己推薦書などを元に合否判定をするとのこと。これは人気難関国立大の対応としては少々オドロキの対応となりました。私もこの対応には否定的です。
なぜ否定的なのか?
これは横浜国大の入試自体が全く違うものになるからです。
例えば、横浜国大の理工学部の場合、本来の入試配点はセンター900点、2次試験1200点と2次試験が配点比率が57%です。1次試験と2次試験を合わせると、数学・理科、ついで英語の配点がとても大きなものになります。横浜国大を第1希望にする受験生は高1・高2の段階から2次試験の難易度と科目配点を意識して勉強しています。
これが2次学力試験がない場合、センターの高得点が従来になく高得点が必要になることが確実で、①センターが得意な受験生②たまたまセンター得点が高かった受験生のどちらかが合格者になります。一方、横浜国大を本来第1志望にしていた受験生は2次試験重視の勉強をしてきたため合格からは遠ざかる結果になってしまいます。
「横浜国大に入りたくて頑張ってきた」受験生ではなく、「結果としてセンター試験で点数が取れた、取れてしまった」受験生が合格していくことになります。これはちょっと違うかなと思うわけです。
中学入試へのコロナ禍の影響は?
コロナ影響で出題範囲が変わる、難易度が変わるなど、さまざまなことが言われていますが、現時点では大きく変わらないという声が大きいようです。そんな中、日本一の受験生数を誇り、2021年の入試情報をいち早く開示している栄東中は「基礎的な内容を増やす、問題数を減らして思考力、判断力を重視する」とインタビューで答えています。今後、どの学校でも学校説明会などを通じて入試問題についても語られる機会が多いと思いますので、注意が必要です。
入試問題について語った記事は→
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栄東が発表したコロナ感染防止による入試変更点を深掘り【受験日時選択制・車送迎可・会場分散】 - 中学受験の下書き
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今日の「面白くてためになる語彙動画」
今回の横浜国大の2次試験学力検査取りやめ対応は前代未聞だ
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