短くなったとはいえ夏休みは割と時間があるのでその時間の使い方によって大きく差が出ます。今回のテーマは「ありがちな非効率な夏休み」です。誰でもやらかしがちな話で、あるあるのカテゴリーかもしれません。
ありがちで非効率な夏休み
以下のような中学受験生をケーススタディとして考えます。
①当然のように夏期講習を受講。普段の授業と同じ仲間と勉強、クラス全員が夏期講習を受講している。先生も「夏は大切だ」と言っている、頑張るぞ。
②朝から夕方まで夏期講習、やりきれない程の宿題が出るので、講習後は家か自習室で宿題をしている。
③宿題は授業中やれなかった演習問題。なんとか宿題の丸付けまで終え、翌日朝から夏期講習、これを繰り返す。
④夏期講習の前半が終了、朝から晩までよく頑張っているねと親に褒められる。
⑤お盆に塾が何日か休み。夏期講習を頑張ったので、息抜きとして1日勉強せずにゲームをする。
⑥ゲームの1日以降は、暑かったりゲームの残りステージをクリアしたり、親戚との会食に連れていかれたり結局勉強できなかった。前半の夏期講習が大変だったし、後半もあるのでまぁいいかと思う。
⑦後半の夏期講習も前半と同じく、塾と家の往復。夏期講習のテキストはほぼ解いて丸付けもした。毎日忙しい。分厚い夏期講習テキストの大半を解いて丸付けまで出来ている。親からは本当によく頑張っているねと言われる。
⑧夏休みはよく勉強したので、成績が上がるかもしれない。親も期待している、ただ自分の中で成長したという自覚があまりない。
⑨休み明けに合不合判定テストがあったが少し成績が下がっていた。
両親が二人だけで「地頭とか才能が~、塾が~」とか話をしているのが聞こえた…なんか親に申し訳なく思った。
何がいけないのか?
上の例は例年の夏という感じで今年の夏やコロナ禍で学校があったりとちょっと事情は違うかもしれません。
これ「間違い探しの問題として見れば」どこが悪いのかわかったのではないでしょうか?
ただ、それは間違い探しの問題として見ているからで知らず知らずのうちにやらかしていると思います。というか誰でもやらかします。
夏の目標がない
ほとんどの人がそうなのですが、夏期講習という予定が事前に入れられるので、夏期講習に行くこと自体が目的になってしまい、夏をこう過すという目標がないまま夏に突入してしまっているようです。これ子供というより親とか塾の問題です。
夏期講習に行くだけでは成績は上がらない
もしかしたら本人や家族の中では夏の目標があったのかもしれませんが、いろいろ大変で最終的には、夏期講習に行くこと、宿題の丸付けを終えることが目的になってしまっている様子がうかがえます。当然ですが、夏期講習に出席するだけでは成績はあがりません。これは自分でわかっていても修正するのは大変です。
受験のプロが準備する夏期講習は絶対間違いないとか思いがちですが、あなたが期待するほど塾があたなの子供のために何かをやってくれるわけではないかも。
宿題は適量ではない
夏期講習に限らずですが、一般的には大手塾は個人の能力や時間を考えずにいいかげんに宿題を出します。科目間の連携もないので、過負荷になっている場合が多いようです。宿題の量が適量かは保護者が確認すべきと思います。本当は塾が意識するべきなのですが…
宿題までやっているのに
夏期講習に行って毎日宿題をやっているのに結果成績には結びつきませんでした。これは宿題のやり方に問題があります。宿題もわかりそうなところを適当に埋めて、あとは丸付けして、間違ったところは正解を赤のボールペンで書き写すだけというなんとも意味のない勉強(というより作業)になってしまっているのがうかがえます。
身につかない勉強が身についている
成績が中位以下の人に特に多いのですが、上のように、なんとなく問題を解いて、丸付けをし×のところに答えを書き写すだけという、「身につかない勉強」が「身についてしまっている」というのがなんとも皮肉です。
勉強の成果を出すには、自分の中に内容を取り込む作業(インプット)と自分の中に蓄積した学習内容を取り出す作業(アウトプット)が必要です。しかし、この場合、インプットがされていないので、アウトプットもされることはありません。
まずインプットするプロセスを作らなければいけません。
夏の前半を終えて
見た目の勉強時間としては、夏期講習で1日6時間、家で2-3時間程度やっています。1日約9時間というのは大変な時間です。本人・保護者とも勉強した気分になり、期待したくなりますが、先に書いた通り机に向かっているだけは成績は上がりません。
休みにゲーム
休みにゲームは少し考えるところです。いろいろ意見が出るところでしょう。ゲームが生きるモチベーションというなら考慮してもいいでしょう。それでも1日やるのはNGです。1日ゲームをしてしまったことで、翌日以降に勉強に戻りにくくなり、勉強に向かうハードルがあがることになります。1日、2日と休めば休むほど勉強するのがおっくうになります。例えば会社員でも連休の次に日、会社に行くのがイヤだなとか思いませんか?大人でもそんなものです。子供はもっと顕著になります。コツは休みでも最低限の勉強を続けておくことです。
結果論ですが、休むにしても午前中に勉強して午後ゲームにしておくと、翌日から勉強に戻りやすくなったでしょう。。
この非効率な夏休み、立て直しの方法は?
対処方法は別でも書きたいと思いますが、まずはここまでで書いたヒントでどう立て直せばいいか自分で考えてみましょう。人によって対策、対応は異なってくると思います。自分の頭で考えることが大切です。人に相談するというのもアリです。
確実に言えることとして、非効率な夏休みとわかったとしても、立て直しまで持っていける人は少ないということです。
その理屈は簡単で、上の勉強の例と同じで、「夏休みの勉強を修正する」という課題自身も、自分で考えることが大切で、丸付けだけする作業はさほどのインプットにはならず、インプットされないものはアウトプットされないからです。
まず少しだけでもいいので自分で考えて改善の方向にもっていくようにしましょう。
今回はここまで。読んで頂きありがとうございました。
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