中学受験がらみのtwitterでここ数日盛り上がっいていた話題として「共学校で女子の定員少ない理由に納得いかない問題」というのがありました。
1.5万いいね、となっているので中学受験だけでなく、それ以外の方からも大きな反響のあったツイートだったようです。まぁ確かにと思う内容ではあります。
中受の相談会に行ったときのこと。
— ぱたぱたママ (@PTPT_MAMA_PTPT) 2020年9月14日
慶應も明治も女子の定員が少なかった。
その理由を尋ねると、
同じ定員にすると、女子のほうが元気がよすぎて、男子が負けてしまう。少し少ないくらいでちょうどいい。
とのこと。
私達には、何一つ納得できなかったので、両校とも志望校から外した。
今日はこの話題に触れようかなと思います。
(細かいですが、明大明治は2020年より定員は男子と女子同じになってます)
「女子の方が元気が良すぎて男子が負ける」なんか微笑ましいようにも見えますが、女子にとっては男女の定員差によって合格できず、代わりに自分より点数が低い男子が合格するわけですから納得できないというのもわかります。
ただ、現実問題として定員を制限したりや合格最低点に差を設けて、男女比を調整している学校は多いです。どのような理由があるのでしょうか。
女子の定員少ない問題、の学校
この問題昔からありますが、学校ごとに事情は異なります。
慶應中等部 男子140名、女子50名 (合格最低点非公表)
早稲田実業中等部 男子85名、女子40名 (2020年合格最低点 男子194/女子214)
市川学園 第1回入試 男子180名、女子100名 第2回は男女で40名。
国学院久我山も男子と女子に定員差を設けているようです。
定員では男女〇名だが、合格最低点が男女で違う、学校
入学者数も男子が増え女子が減るように調整されている学校です。
青山学院中等部 (2020年合格最低点 男178/女200)
渋谷教育学園渋谷 (2020年合格最低点 1回男177/女188 2回男168/女182 3回男184/女194)
成城学園 (2020年合格最低点 1回男203/女216 2回男218/女231)
法政大学 (2020年合格最低点 1回男345/女364 2回男340/女361 3回男369/女388)
法政第二 (2020年合格最低点 1回男231/女244 2回男222/女233)
男女で定員も分けず合格最低点も同じ学校
渋谷教育学園幕張
栄東
広尾学園
男女で完全に同じ条件です。入学者を見ると、
渋幕 男女比 5:2、栄東、広尾学園はおよそ1:1です。
男女で定員がほぼ同じだが合格最低点に差
成蹊 第1回 男子45名、女子40名、第2回 男子25名、女子20名
→男女で合格最低点に差。女子>男子 1回男183/女191 2回男205/女222
明大明治 第1回 男子45名、女子45名 第2回 男子30名、女子30名
→男女で合格最低点に差。女子>男子 1回男211/女221, 2回男223/女227
いろんなパターンはありますが、
基本的に男子より女子のほうが共学校に入りにくいとはいえそうです。
男女に定員や合格最低点に差がある理由
合格最低点を同じにすると女子がほとんどになってしまう。
学校説明会でもそう説明しているところが多いですね。
冒頭のツイートにあったように、女子が元気だから少ないぐらいがちょうど良いというのはいささか、ごまかしのニュアンスがあると思います。
学校運営上の都合というか思惑ですかね
学年ごとに男子が多かったり、女子が多かったり少なかったりするのも悪影響があるのかもしれません。女子を多くしない理由としては以下のようなものでしょうか。
1.校風が変わってしまう。女子の数を制限しているのは元は男子校のところが多い。
2.同窓会のネットワークも変わってしまう。
寄付金の集まりが変わったりもしそうです。女子の制限はOBの意向もあるように見えます。
3.学校内の設備や教育内容にも差が影響がでる可能性がある。→女子の施設が足りないとか→ただこれはあまり関係ないように思います。
4.女子は高校で伸び悩むことが比較的多いため大学実績のためには男子が一定数いるほうがいい。精神的な成長も女子のほうが早熟傾向がある。という考え方。
→上を見る限りだと進学校よりも付属校のほうが女子の数を制限に積極的なように思います。進学校の渋幕、栄東、広尾学園は男女で同一条件ですし。なんかちょっと違うかな。
学校の校風というかカラーは維持したいというのはありそうです。こういうシステムには賛否が出そうですが、現状そうなっているということです。
男女差が大きいと受験の質が違ってくる
男女の合格最低点の差が大きいと、男女間で受験自体が異なってくる場合があります。男子だと不得意科目があってもなんとかなるが、女子だと厳しくなるとか、男子だと捨て問でもいいけど、女子だと積極的に点を取りに行かなければならないという問題が出てきます。女子がよりシビアになるイメージです。偏差値〇〇で合格したから大丈夫という情報も男子か女子かで変わってきます。
四谷大塚の合不合だと同じ素点でも男女別に集計するため、女子の方が偏差値が高く出ます、また合格最低点に男女間で差がある場合は、必要とされる偏差値が男女で大きく異なるケースがでてきます。例えば、青山学院中等部の80%偏差値は男子58で女子65と7も異なるので注意が必要です。
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